ゴルフをもっと「楽しく」「面白く」!

Tag: ゴルフ・コラム


春の新製品、ボールに注目!

2014年03月24日 — 11:53am

春の足音が南から聞こえてくるこの時期、各メーカーの新製品の熾烈なアピール合戦も本格化してきていますね。
GOLF-MODE編集部では、ボールの新製品に着目してみました!

▼寡占市場に立ち向かう「侍」たち。
世界的王者、『タイトリスト』に加え、国内の2強『ダンロップスポーツ』『ブリヂストン』の鉄壁のトライアングルで市場を席巻している日本のボール市場。新しさをあまり渇望していないユーザーも多い中、あえて「攻めている」ボールをチョイスしてみました。

▼本間ゴルフ 『ツアーワールド TW-G1』

まずは、反転攻勢の印象が強い、本間ゴルフのTW-G1。これまで、ボールは製造から販売までメーカーの一括管理で供給されてきました。しかし、昨今コストダウンの必要性から、製造の外注化が進みました。そこで力をつけてきたのが、アジアの製造請負メーカー。本間ゴルフはそこに目をつけました。台湾のメーカーとのコラボ製品がこのTW-G1です。

本間ゴルフといえども、ボールに関しては後発メーカーだけに製品の実力は即、生命線です。ウレタンボールに特化し、性能を追及しました。ツアー系ボールとしての仕上がりは十分で、ライバルは『プロV1(タイトリスト)』と謳うだけの実力はあるというのが記者の見立てです。

▼キャロウェイ『SR1』『SR2』『SR3』

アイデア勝負に出たのがキャロウェイのSRシリーズです。ヘッドスピードにあわせてボールパフォーマンスが最大になるように設計されているのがウリです。ヘッドスピードが安定しているゴルファーは、ある意味スイングが確立している成熟ゴルファー。その高い完成度には、性能の高いボールで勝負してみましょう。

ヘッドスピード(HS)が40m/s以下のゴルファーを対象にしたSR1は、バックスピンを最小化させHSのハンデを最小限度におさえる技術が優れています。女性ゴルファーにはぜひ試して欲しいボールになっています。

▼ブジヂストン 『ツアーステージV10 リミテッド』

3強の一角、ブリヂストンもV10シリーズが大胆な路線変更。全くの新機軸ボールへと変貌をとげています。V10リミテッドという名前となり、柔らかさに大胆に挑戦しています。特にドライバーやFWなどの長いクラブでそれがはっきり出ています。つぶれた感覚をより好むゴルファーは、絶対にチェックしてください。

記者が注目したのは曲がりへのこだわりです。アイアン、とくにロフト角がより小さい低弾道系のクラブではよくスピンがかかります。つまり、少々のミスでもあまり曲がらないのです。第二打、第三打の安定感が抜群に上がるのは間違いないでしょう。ショットの安定性でスコアメイクをする相棒としては申し分ありません。

春の新製品、ボールに注目! はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

アダムスゴルフ

2014年03月24日 — 11:48am

トム・ワトソン、ヤニ・ツェンなど日本でも人気と知名度のあるプロが使用するアダムスゴルフ。現在は、テーラーメイドと共に、アディダス傘下のクラブメーカーである。アメリカでは抜群の人気と知名度をもつ。主に中高年をターゲットに発展してきたメーカーだ。

2013年、日本国内の市場に本格参戦。成熟市場の日本のゴルフマーケットにどれくらい食い込めるか。その鍵を握るのは、まずは、「イメージ」と「技術」だろう。

これまで、同社の製品はきちんとした販売経路が確立していなかったこともあり、実力以上に廉売されていた印象がある。廉価販売が品質への疑問へ直結し、アダムスゴルフについて、「どこの国のメーカーなのかよくわからず、ただ量販店で安売りされているクラブ」というイメージを持っておれらる方も多いのではないか。まずは、そんなネガティブな印象をどのように払拭するかが最初の解決すべき問題だ。

1月、同社はアーニー・エルス(南アフリカ)と契約に成功。40歳代半ばでも第一線で活躍する彼は、日本でも根強い人気がある。まずは、彼の高いイメージをてこにブランドとしての柱をしっかり立てたいところだ。

そのための足がかりは、同社の独自技術の「溝」にあることは、衆目の一致するところだ。日本でも話題となったテーラーメイドのヒットドライバー『ロケット・ボールズ』の飛距離の秘密として話題となった「溝」。その技術の元祖はアダムスゴルフ社にある。

同社は、ドライバー、FWなどにはクラウン部分にも溝を施しており、他のビックネームクラブメーカーほどはいないものの、手にしたゴルファーの大半は手放していないだろう。それほど、打ったときの快感は想像以上だ。弾きの良さを求めるゴルファーは、ぜひ手にして欲しいものだ。

上記の通り、アダムスゴルフの製品は安く手に入れることができる。今は、その最大のメリットを享受できるチャンスでもある。廉価販売の外国メーカーと毛嫌いせず、ますは手にしてみる勇気を持って欲しいのだ。

アダムスゴルフ はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

交換してますか?あなたのグリップ。

2014年02月13日 — 12:53pm

 

冬はどうしてもラウンドの回数が減ってしまいますね。そんなときは、忙しい時期にはできないことをやってみることが大切ですよね。
 
その代表例がグリップの交換ではないでしょうか?グリップ交換によって春のラウンドに備えてみませんか?

Golf Grips at the 2008 PGA Golf Show / danperry.com

 
★グリップは年1回の交換がベスト!
 
交換の目安は約40ラウンドとされています。アマチュアの方で、年間のラウンド数が40を超える方は少数派かもしれませんが、グリップはゴム製であるので、劣化は避けられません。グリップが古くなると、当然ですがグリップ力が下がります。その結果、余計な力みにつながります。年に1回を目安に交換しましょう。
 
★ベストな太さを探しましょう。
 
グリップ交換をするときのポイントは、どのクラブも太さが均一になるようにすることです。シャフトの太さは同一メーカーでもモデルが違うと微妙に変化するもの。複数のメーカーのクラブを使い分けているゴルファーなら尚のことです。自分の手になじむ太さを探しながら、均一に揃えていきましょう。その際は、下巻きで調整します。
 

 
★細いグリップ、太いグリップ
 
細さ、太さはお好みで構わないと思いますが、どちらのタイプが好みかを意識していない方は、「太いグリップは、手が大きく、パワーに自信のある人」が向いています(細いグリップはその逆)。
 
★グリップ交換は低コスト、低リスク
 
クラブの交換は経済的にも、慣れや準備という点でもリスクが高いといえますが、グリップ交換はそこまでの負担はありません。ドライバーなどグリップが気になるクラブのグリップをまず交換してみてみませんか。クラブが原因だと考えていたいろいろなトラブルが解決したということも多いのです。
 

交換してますか?あなたのグリップ。 はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

ボビー・グレース、不可視化なパターの構成要素

2013年11月14日 — 1:11pm

あなたは、パターに何を求めるのだろうか?ほぼ共通する距離感の合いやすさを一歩、離れるとそこにゴルファーの個性が宿る。パター選びの旅は、このセカンド・オーダーに基づいて始まるといっていいだろう。

直進性などイメージする軌道を求めるゴルファーは、マレットなどの形状へシフトし、打感をもとめるゴルファーは、ソールの有無や素材への探求へ向かう。その方向性は、おおむねポジティブなものであり、より理想のパッティングを求めるゴルファーの欲求を担保するパターが市場を席巻している。

そんなゴルファーの心理に反する理想を掲げているのが、ボビー・グレースのパターだ。同社のパターのイチオシ性能。それが、HSM(Hole Seeking Material)という3つのスイートスポットをもつ独自技術だ。この独自技術、以外にもプロゴルファーの評価から普及することになった。プロゴルファーのパッティングは、過酷な心理状態の下行われる。プレッシャーは必然的にミスへと直結する。たとえ、スイートスポットを外しても、一定の距離感を確保できるこの技術は、多くのプロゴルファーに支持された。2012年、全米女子オープンを制した、チェ・ナヨン選手もその一人だ。

ボビー・グレースは、1989年からパターデザイナーとしての活動を開始。1994年にデザインした「ファットレディ」がニック・ブライスの目に留まり、彼のパターに採用。多くのゴルファーの知るところとなった。

そんなボビー・グレース、およびそのスタッフのパター製作の原点は徹底的なデータ主義だ。つねに契約プロに帯同し情報を集める。その得られた情報は、パターづくりへとフィードバックされる。データから得られた必要性は、ボビー・グレースのパターの形状や機能となってよみがえるのである。

独自のデザインにより、エキセントリックな印象もあるボビー・グレースのパターだが、実はそれは情報集積の結実した形なのである。

ボビー・グレース、不可視化なパターの構成要素 はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

fun drive fun golf ~乗るを楽しむ~

2013年10月16日 — 2:09pm

fun drive,fun golf ~File.no1. Road to Awa city Tokushima prf.~

「佐藤謙太郎さんのコースで回ったことはあるかい?」

景観を楽しみながらゴルフをしたいという要望に、友人はこう答えた。その佐藤さんって設計者?という返答に、私が同氏を知らないことに気がついた友人は、そうだという返事と共に、彼のことを調べる前にまず彼の作品の上で踊ってみることだなとアドバイスをした。


Audi Q7 (Facelift) front 20110115 / M 93

「乗り心地はさすがアウディだと感じるんだけどね。如何せん燃費がね…」この車のオーナーの微妙なコメントが脳裏を横切る。アウディQ7が今回の相棒。高級SUVながら舗装道路を好む都会派。悪いね、今日の行き先は地方なんだけど。そうつぶやいて、早朝の首都高に乗った。

「ガソリンは、半分だよ。ちまちま給油してね」オーナーのこの言葉のとおりに私は、50Lほどの化石燃料を積み、東名、名神を西へ下る。目的は約650km先。給油は淡路島で1回。神戸淡路鳴門自動車道を抜けると徳島県阿波市はもうすぐだ。


to tokushima / FooNar

1998年開業のJクラシックゴルフクラブ(徳島県阿波市土成町)。佐藤謙太郎氏の作品の代表作だ。1番H。長距離ドライブの疲れが腰に残っていた…はずだったのに。視界に入る景色がその感覚を奪った。広角のフェアウエイ。ここでゴルフをする高揚感を喚起させる心憎い演出だ。丘陵らしさを感じるアウト。6番の池は、オアシス。佐藤氏の掲げる「ゴルフコースは雄大で美しく、かつ戦略的であるべき」のコンセプトが心に沁みる。

ゴルフ場設計を手がける(株)M&Kの代表をつとめる佐藤氏。現役の設計士にとって、今の日本は厳冬の時代だ。新規のゴルフ場はほとんどつくられず、佐藤氏の日本国内での仕事も改造が主体だ。横浜カントリークラブ東コース(神奈川県)、大月カントリークラブ(山梨県)の名をあげれば、合点がいく方も多いだろうか。


Jクラシックゴルフクラブ
徳島県内だけでなく、他県のゴルファーも多く訪れる人気のゴルフ場。非日常の空間である、ゴルフ場をさらに非日常へ誘う。広いフェアウエイ、長い距離の開放感が魅力。
(徳島県阿波市土成町秋月字明月176-1 徳島自動車道・徳島 5km以内)


丘陵コースらしさを活かしたアウトから一転、インは、やしの木や池をふんだんに取り入れ南国テイストを演出。広々としたレイアウトはリゾート気分を満喫させてくれる。モスト・インプレッシブホールは、やはり18番。池と砂のハザードの共演。佐藤氏の戦略性の意味を心に刻むホールになっている。友人の言葉に感謝してホールアウト。佐藤氏のゴルフ場は、まず知るより楽しむである。


大轟の滝 / Stephen Wheeler

東京へ帰る前に、大轟の滝(徳島県那賀郡那賀町)に立ち寄る。道すがら、今回の相棒アウディQ7のご機嫌のエンジン音が山峡にこだました。

fun drive fun golf ~乗るを楽しむ~ はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

テーラーメイド、創造のビオトープ

2013年09月12日 — 12:42pm

ビオトープ。多様な生物の生息を可能にする空間…。そこは生命を育む場であり、それは言い換えると未来を創り出す場でもある。

もし、メーカーをひとつのビオトープとみなした場合、どのような条件が必要か。それは、技術者を育て、市場性の高い製品を生み出せる環境であることは、万人の共通認識だろう。ただ、それが最も難しく、最も達成されていないことなのであるが…。

9月。新作ドライバーが発売される。それは、次のような機能を謳う。

ヘッドが黒(メタリックブラック)で、
いわゆるカチャカチャ度を減らし、
叩かないと飛びにくく、
ロフト角を選べる。

これだけ書けば、テーラーメイド社のメガヒットドライバー、R1を意識し、それに対抗するドライバーであることは明らかであろう。そして、驚くことにこのドライバーが、同じテーラーメイド社から発売されるのである。

それが、SLDRドライバーである。

自ら創り出した市場に自らの製品で挑むという構図。多くのメーカーにはなかなかできない離れ業である。ヒット作に固執し、市場性を劣化される例は多く見られても、成功の法則に自社製品で挑戦するという例は、ほとんど皆無だからだ。

このドライバーのセールスポイント、
ソール内に配置されたレール上で、ウエートを自由に変えることができる。
B・スネデガーが使用し、カナディアンオープンで優勝した。

これらは、あまり意味のなさない枕詞なのかもしれない。つねに市場に自社製品の存在を問う姿勢をもつテーラーメイド社の新作ドライバーであることが重要なのだ。

メーカーにとって、激しい生存競争を生き抜く知恵。それは、つねに新しい製品を生み出そうとする熱意であり、意欲である。たとえ、自らスマッシュヒットを生み出しても、つねに貪欲に市場拡大を狙う。

米国コカ・コーラ社の中興の祖、ロベルト・ゴイズエタは、清涼飲料水のシェアで数十%を占めることに安住する役員に対して、人間が必要とする水分量に対して、自社製品のシェアはほとんどゼロであることを指摘し、従業員の慢心を諌めたと言う。市場に対する貪欲さは、不断の努力なくしては社風になじんでこないものなのだ。テーラーメイド社はそれがきちんと担保されているのであろう。

であるならば、テーラーメイド社内の技術者同士の競争は、苛烈なものであろうことは想像に難くない。その環境は、時として快適なものではないのかもしれない。しかし、その環境の中から強くたくましい市場性の高い製品が生み出されていることは紛れもない事実である。そして、その環境は、まさにメーカーのビオトープそのものではないだろうか。

海外に長期の滞在の時には、ご検討を!

long

テーラーメイド、創造のビオトープ はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

ゴルフ練習場。身近で切実な大きな問題。

2013年08月09日 — 12:28pm


River Club driving range / Andrew Deacon

一定のゴルフキャリアをもつ東京在住のゴルファーにとって、「芝ゴルフ練習場」を知らない人はいないだろう。この練習場は、新橋、浜松町、三田、麻布に囲まれた芝公園内にあった。芝ゴルフ練習場と聞いて去来する感情は、愛憎共々ゴルファーによってさまざまだろう。

ただ、ここで白い放物線を描いたことのあるゴルファーならば、この練習場が、たとえステイタスを持つ場所であったとしても、たとえ他の追随を許さない好立地だとしても、ここの練習代は高かったという意見に賛同してもらえるだろう。現在の東京メトロ東西線の木場駅すぐにあった「ゴルフガーデン東陽」も同じく「出費の痛いゴルフ練習場」として有名だった。

ともに都心に立地していたという共通点をもつこのゴルフ練習場。今は、もうその姿はない。


芝公園 / Kentaro Ohno

東京に限らず、都市部在住のゴルファーにとってゴルフ練習場確保は切実な悩みになっている。平成13年にまとめた経済産業省の統計によると、東京都内のゴルフ練習場数は204。これは前回調査(平成11年)よりも16%の減少だった。当然のことながらこの数字は現在はもっと悪くなっているだろう。

ゴルフ練習場は、一定の敷地面積が必要なビジネスだ。都市部にある既存のゴルフ練習場は、かつて入手したまとまった土地を活用してなんとか存続しているのが現状だ。マンションや商業施設の建設用地として目をつけられたゴルフ練習場の土地を目当てに経営者が不動産開発業者から受け取った名刺が、束のようになり、廃転業を促す甘いささやきが耳元からなかなか消えない…そんな状況だろう。「芝ゴルフ練習場」も「ゴルフガーデン東陽」もゴルファーに相応の負担を求めるハイエンドのビジネスモデルだったが、結局は閉鎖の流れに逆らえなかった。


Diversey Golf Driving Range > Balls / danxoneil

人の動きを川の流れに例えるとゴルフ練習場は上流に位置する。ゴルフをしない人がゴルフを始める最初の接点のひとつがゴルフ練習場である。この上流が細れば、下流に位置するゴルフ場経営もプロゴルファーもレッスンプロも干上がってしまう。ゴルフ練習場の減少は、ゴルファー人口減少と直結するのだ。

ゴルフ人口が右肩上がりだったころは、ゴルフ場もゴルフ練習場もバラバラに動いていても問題はなかっただろう。しかし、今はお互いが自分たちのビジネスを発展させる仲間としての意識を持たなければならないと感じている。ゴルフ界の共通の利益を掘り起こすという観点で連携する動きが活発化することを期待せざるを得ない。

先の2つのゴルフ練習場。たとえ、1球30円近くもするボール代であっても、やはり存続してもらいたかった。これも先と同じく賛同してもらえる意見ではないかと思う。なくなってしまえばもう、二度と都心には、ゴルフ練習場はできないのだから。

海外に長期の滞在の時には、ご検討を!

long

ゴルフ練習場。身近で切実な大きな問題。 はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

名設計家のラビリンス。デズモンド・ミュアヘッドのデザイン

2013年02月21日 — 2:13pm



Mission Hills Country Club, Rancho Mirage, California / danperry.com

「このゴルフ場を設計した人物は何を考え、何を想ったのだろうか?」

デズモンド・ミュアヘッド(1924年~2002年)

彼の手がけたゴルフ場でプレーをした経験をもつゴルファーのほぼ全てに共通する思いなのではないだろうか?斬新、個性的などという言葉では、説明できない独特の世界観を有するゴルフ場を遺した稀有の設計家を追う。

歌手として活躍する一方で、女子プロゴルフ界の発展に貢献したダイナ・ショア。彼女の尽力で産声をあげた大会の系譜をもつクラフト・ナビスコ選手権。春の訪れを告げ、LPGA(米国)の歴史に名を刻む伝統あるこの大会は、ロサンゼルスから西へ車で2時間ほどのランチョ・ミラージュにあるミッションヒルズ・カントリークラブで行われる。

このゴルフ場の設計を手がけたデズモンド・ミュアヘッドは、イギリス出身でケンブリッジ大(英)、ブリティッシュ・コロンビア大(カナダ)で建築や造園学を学んだ。

このころのミュアヘッドは、アーノルド・パーマーやジャック・ニクラウスら名ゴルファーと組んで仕事をしていた。ニクラウスとのコンビで設計したミュアフィールド・ビレッジ(米国・オハイオ州)は、ゴルフ設計家としての彼の名を世界に知らしめた。

美しく、水と緑が調和した流線型の設計。ニクラウスとのコンビだったゆえに「ミュアヘッドらしさ」は、希薄化しているのかもしれないが、ゴルファーへの多くのものを訴えるには十分なゴルフコースである。

しかし、この後突如、ミュアヘッドはゴルフコース設計の世界から姿を消す。

ストーン・ハーバーゴルフクラブは、10年の空白を経てゴルフコース設計に戻ったころの設計である。10年の歳月は、この設計家をどのように変えたのか?

波のようにうねるアンジュレーションがきついフェアウエイだろうか?大胆に組み入れるウォーター・ハザードだろうか?

それは、表面的なものでしかないだろう。そう言いたくなるのは、彼が日本にその答えの断片を遺しているからだ。

富士クラシック。葛飾北斎の『富嶽三十六景』をイメージしたとされるこのコース。ここでのラウンドは、ほぼ全てのゴルファーに忘れられぬ記憶として残される。改めて紹介するのがはばかれるほどに有名となった17番。ミュアヘッドは、『富嶽三十六景』の代名詞、「神奈川浪裏」を大胆にグリーンのデザインに取り入れている。

しかし、その大胆さの一方で富士クラシックのコース全体のイメージは「地味」である。地味だと感じる理由は、新陽カントリー倶楽部の存在があるからだ。

これでもかとゴルファーに見せつける大胆なレイアウト。視界に飛び込む強烈な印象を刻む「新陽」の各ホール。この強烈なイメージの洗礼を受けると、「富士クラッシック」は地味な印象を受ける。

ミュアヘッドは、なぜこのようなコントラストを描いたのだろうか。答えは「ゴルフ場がどこにあるか」にあると私は思う。

富士山を臨む「富士クラッシク」は、富士山の存在こそが主である。大胆なデザインは平面化させて、3次元的なデザインは富士の存在を前面に出す。視点は遠くの富士から徐々に手前に移るようにする。「地味」なデザインは、そのような仕掛けに基づくものではないか。一方、そのような背景がない「新陽」は、リンクス風バンカーなど立体的なデザインを豊富に入れる。

ミュアヘッドが大切にしたのは、自らのイメージと景色との融合ではないだろうか。そう考えると、この設計家の自己主張の意味が見えてくる。ゴルフ設計家の自己主張。ゴルフ場は、その存在が巨大な造形物であるが故に、周囲の風景と切り離せない宿命をもつ。であるならば周囲の景色とのマッチングは細心の配慮が必要となる。富士と新陽の異なるつくりは、10年の空白の末にたどり着いたこの設計家の境地が凝縮されているように思えてならない。

哲学や心理学にも造詣が深かったされるミュアヘッド。あらゆる要素が溶け込んだ彼の思想が詰まったコースでプレーすることの本当の楽しみは、彼の思考回路に入り込む楽しさなのかもしれない。

名設計家のラビリンス。デズモンド・ミュアヘッドのデザイン はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

YAMAHA。技術で勝って、ビジネスも勝て!

2013年01月23日 — 2:15pm


2012年は、「ヤマハ」のシーズンだった。同社と契約する賞金王、藤田寛之プロと谷口徹プロが大活躍。技術に一家言ある2人のプロが愛用するクラブ。職人気質のメーカーの努力が結実したシーズンでもあった。しかし、ビジネスとしてヤマハを見ると、脆さが気になるメーカーでもある。好きなメーカーだけに残念だ。ビジネスとしてのヤマハの課題は、現在多くの日本の製造業が抱える課題でもありそうだ。

「ヤマハは嫌いだ」と口にするゴルファーにあまりお目にかかったことがない。たぶんあなた自身もあなたの周辺のゴルファーも同じだろう。職人気質を好む日本人にとって、技術に徹底的にこだわるヤマハのメーカーとしての姿勢は、シンパシーを感じるに値するメーカーなのだ。ヤマハが「機会があれば」チャレンジしたいメーカーの一つであることは、間違いないだろう。

では、あなたのゴルフクラブセットの中に、ヤマハのクラブは入っているだろうか?

「イエス」と答えたゴルファーは、きっとそれなりに満足しているはずだ。ヤマハの製品は、それくらいの実力がある。「ノー」と答えたゴルファーの理由の大半は、「まだ、ヤマハを手にしてみようという気にならない」ということだろう。国内2強のD社、B社を愛用しているゴルファーならば尚のことだ。言い換えると、ヤマハは潜在的な市場を国内に抱えていることになる。であるならば、「魅力的に見える隣の芝生」として自社の製品をより青くみせる努力はビジネス的に重要な戦略となるだろう。

それが「inpresX」ブランドの育成ではなかったのか?

「inpresX」シリーズの2013年の展開は、このRMX(リミックス)が担うのだが、その新作発表会で前面に出たコピーが「解体」であった。ヘッドとシャフトを別売りすることから「バラバラ」にするイメージからそれが来ているのだろう。現状に安住せず、新しい試みをするヤマハらしさであるし、こういう挑戦は大歓迎である。

ただ、問題はメーカーが発するメッセージがなぜ「解体」なのだろうか?ということである。

私達ユーザーは、そのバラバラに売られたヘッドとシャフトをどのように組み合わせ、自分のゴルフに役立てていくかにこそ関心があるのだ。「解体の先」こそが、私達にとって重要なのだ。もちろん、興味があるゴルファーやコアのユーザーは有料雑誌を買って、使い方をマスターしようとするだろう。しかし、「これからのヤマハユーザー」にとってはこのような訴え方では、ヤマハの敷居は高く感じるのではないか。

「日本の家電メーカーの機能は、むずかしすぎるものが多い。多機能についていかない消費者も増えている」通販大手ジャパネットたかた(長崎県佐世保市)の高田明社長は、数年前にこう発言している。多機能を謳う一方で、ユーザーにとって理解の難しい機能を搭載する日本の家電メーカーの姿勢に疑問を呈している。販売の最前線に立つ同氏にとって、この疑問はより切実に感じたのだろう。新しい機能がユーザーにとってどんなメリットがあるのか?それをはっきり示さない、示せない日本の家電メーカーのうち数社は数年後の現在、巨額赤字に転落した。同氏の発言は、この未来を予測していたかのようだ。

ヤマハに限らず、日本のメーカーの技術の追求は、決して衰えさせてはならないストロングポイントである。しかし、これからの時代は、それだけでは不十分である。自社の製品を使えば、どのような未来が待っているかを強く訴える必要がある。その機能が、いかに新しく、いかにユーザーの未来を変えることができるのか。それを強く示す必要がある。例えば、アップル社のiPadの企業向けCMはそれが端的に出ている。自社製品を手にしたときのイメージをいかに喚起させることができるか。そのアピールがより強く求められる時代になったのである。

私は、ヤマハのメーカーとしての潜在能力を高く評価している。一方で、日本のメーカーの多くが抱える問題を克服できていないとも感じている。「inpresX」ブランドは、ぜひ大切に育ててもらいたい。発するメッセージは創造的であるべきだ。「解体」では未来を語っていることにはならない。私達は、「inpresX」を使えば、こんな楽しいゴルフライフが待っているという未来が見たいのである。

YAMAHA。技術で勝って、ビジネスも勝て! はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

特集「みんなで共有、みんなの知恵」

2012年11月21日 — 12:15pm



IMGP2483 / russelljsmith

10月号アンケート「教えてください!アイアンの得意な飛距離」にたくさんのご回答ありがとうございました。お寄せいただいた皆様のご意見は、実戦で試行錯誤されたテーマだっただけに含蓄に富むものばかり。それで今回、「みんなで共有、みんなの知恵」という特集記事としてご紹介いたします。

「飛距離が半端な場合、どのように調整していますか?」

今回のアンケートでは、このテーマが白熱!読者様の知恵を拝見させていただきました!

まずは、一番の多数派となったのが、
「番手を上げて調整」(ゴルフの達人様・奈良県)
に代表される「番手上げ」の皆さん。番手を上げる場合、距離を短く詰めないといけません。そこでの工夫で2つのグループに分かれました。

「番手を上げて8割程度のスイングをする」(はし様・長崎県)
「番手を上げて軽く打つ」(バラード様・東京都)の皆さんの工夫です。
ラウンド中に力を抜くショットをすることで自然に、力みを減らす工夫にもなっていますね。

もうひとつのグループは、
「番手を上げてトップを小さく」(sanagiman様・愛知県、tora様・兵庫県、星王子様・茨城県)の皆さん。
この工夫が、一番の支持を集めました。「番手を上げてトップの高さで調整」(ヒデさん様・大阪府)するメリットは、スイング強度を一定に保つことができることでしょう。安定感のあるコンパクトなスイングを心がけておられる印象です。「番手を上げてフォローを小さく」(ぴーすけまろん様・北海道)は、そのよい例かと思います。

次の支持を集めたのは、
「スイングのふり幅」(ローズマリー様・兵庫県)、
「フリ幅で調節する」(まさるちゃん様・長野県)の皆さん。
ふり幅調整のメリットは、スイングリズムの安定。スイングリズムは、多くの女子プロゴルファーが大切しているとても重要な考え方。「番手は変えずスリークウォーター」(テツシ様・神奈川県)、「トップ位置を変えて(調整)」(ikemenn様・大阪府)のように自分に合った幅を掴めれば強い武器になりますね。

また、フルスイング重視で工夫をされている皆さんも多くおられました。考え方は、2つに分かれました。
「短く握る」(sonq様・東京都)、
「グリップを短く持ってフルスイング」(ブロ様・富山県)の皆さん。
短く持つメリットのひとつは、前傾姿勢の意識が高まること。ブロ様は、気をつけていることとしてヘッドアップを挙げておられます。注意することと工夫が一体化した選択ですね。

もうひとつは、
「番手を下げてフルスイング」(シンジ様・東京都、ぴかそ様・滋賀県)。
アイアンショットはどうしてもフルスイングが、できにくいもの。「番手を下げて振り切る」(たけちゃん様・熊本県)の「振り切る」に想いがこもっておられる印象をもちました。

工夫は、ひとつとは限りません。複数の工夫を組み合わせるハイブリッド派の皆さんもおられました。
「ピンの位置と風を考えながら番手を上下させる」(ボギーパパ様・青森県)、
「スイング幅を小さくしたり、短く持ったりしている」(まささん様・三重県)、
「番手を上げてスイングの大きさを調整」(megu様・大阪府)の皆さん。
あらかじめ決めている工夫から組み合わせる方と、
「その時の、状況で決める。(コンパクトにスイング、短く握る、スライス、フックで打つ)」(akihiro様・東京都)
のように、まさにその場で決める方がおられました。工夫の引き出しを増やしておくと幅が広がりますね。

工夫に正解はないと思います。年齢、性別、体格、得意のクラブなど考慮しなければならないたくさんの要素があるからです。その中で自分にとってのベストやベターを探していくこと。これもゴルフの面白さの一つではないでしょうか。読者様のお知恵を拝借して、そう痛感しました。アンケートにご回答下さった読者様、ありがとうございました。

特集「みんなで共有、みんなの知恵」 はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

合言葉は、さりげなく。おしゃれの流儀!

2012年11月21日 — 12:15pm


この秋は、ベストがベスト!

オヤジギャグのような合言葉で、ベスト着用のコーディネートにこだわっていた筆者。そんな背景があったため、男子国内ツアー三井住友VISA太平洋マスターズ(11月8~11日)での石川選手のベスト姿を見て一気にテンションが上昇。「いや~、これこそベストのベストな着こなし!」と感じ入ったのです。2日目がダークブラウン、3日目が濃いめのスカイブルーのベストを着用した石川プロ。この2日間の着こなしからベスト着用時の「使える!テクニック」を探っていきましょう。

今も昔も定番アイテムのベストですが、これをお洒落に着こなすことは、難しいですね。誰でもできるお洒落の基本テクニック。それは、色のコントラストです。黒のパンツにグレーのジャケット、中に白地のシャツを合わせれば、少なくとも変には見えません。理由は色のコントラストがはっきりするから。しかし、このテクニック、ベストには通じません。シャツとベストに色のコントラストをつけてしまうと、ベストが目立ってしまい逆効果なのです。そこで今回の、石川プロのコーディネート。おしゃれのポイントは、ベストにあわせたシャツに秘密がありました。

ベストの色より淡い、同系色のシャツをあわせていたのです。これがピタリとはまりました。筆者は、3日目のコーディネートが特に気に入っています。3日目のベストが濃いスカイブルー。これをお洒落に着こなすのは、至難の業。これをパウダーブルーほどの淡いシャツ(高めのカラーもグッド!)であわせ、パンツは白。さらに白のバイザーと組み合わせたことで、ベストが見事に輝きました。ベストを、同系色のシャツにあわせるやり方は、最近の高校生の制服でもみられるスキル。白のシャツ(ブラウス)+白のベストが定番で、ベストは、必ずシャツより濃い目の色使いになっています。「ベストには、同系色の淡いシャツと合わせる」は、知っておいて損のないテクニックです。ただ、定番の黒、紺のベストは、白と合わせても映えます。その際は、パンツの色をベストより淡い色(濃いグレー系など)で合わせるのがおススメです。

これからベストを揃える方は、ベストの色だけでなく、あわせるシャツの色も意識して選ぶといいでしょう。また、シャツは半袖か七分袖が映えます。長袖着用時は、袖をまくっておくとかっこよく見えます。

合言葉は、さりげなく。おしゃれの流儀! はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

特集「GO!宮崎!GO!」

2012年10月24日 — 12:38pm



朗報は突然やってきた。ルーク・ドナルド参戦!久々の大物選手の来日。舞台は「フェニックスカントリークラブ」。11月は宮崎の季節だ。ルークが参戦する「ダンロップフェニックストーナメント」が15日(木)から。さらに国内女子ツアーの最終戦、「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」が翌週開催。見るもよし、プレーするもよし。秋はスケジュールに「宮崎行き」を書き込んでみてはいかがだろうか。

★チャンピオンコースでプレーする!
秋から春先にかけて維持されるプロ仕様のコースセッティング。難コースをより難しく仕上げられたコースでラウンドする。そんな体験ができるのは、この時期の宮崎の最高の魅力である。
フェニックスカントリークラブ
(宮崎県宮崎市大字塩路字浜山3083)
不死鳥は松林に棲み、太平洋からの海風に乗って舞う。物語は9章立ての3つのストーリー。あなたは物語を紡ぐ主人公だ。クラブハウスに入るとすぐにあなたは光を奪われる。「ダンロップフェニックストーナメント」と共に歩んだこのゴルフ場の歴史を刻んだ荘厳なロビー。物語はここから始まる。住吉・日南・高千穂の3つのコースレイアウトは、驚くほどシンプルだ。当然だろう。このコースの最大のハザードは、不死鳥の愛した松林と海風だからだ。だからラウンドは「悩む」ことと共にある。低い弾道で海風を松林に守ってもらうか、海風を読んで松林を越える高い弾道で勝負するか。世界のトッププロと思考を共有する至福。それがこのゴルフ場の最大の魅力なのである。

宮崎カントリークラブ 
(宮崎県宮崎市大字田吉4855-90)
市内を流れる大淀川を挟んで北側に位置するフェニックスゴルフクラブに対して南側、宮崎空港に隣接する位置にこのゴルフ場はある。松林に囲まれ、強い海風が吹きつける点ではフェニックスと同じだが、この2つのゴルフ場の趣は大きく異なる。洋芝にこだわるフェニックスとは対照的にここは、高麗芝にこだわっている。高麗芝の鏡のようなグリーンは、芝目の微妙な違いによって右へ左へとボールを誘惑する。1953年から刻んだこのゴルフ場は、小さな努力を積み重ねて現在の地位を得た。豪華なつくりのゴルフ場とは異なる落ち着いた佇まいこそが名門の証である。

★一流のプレーを見に行く!
宮崎市観光協会は、11月のゴルフトーナメントに連動した各種イベント&キャンペーンみやざきゴルフマンスを展開。宮崎への玄関口、宮崎空港とJR宮崎駅では2大会に関連するイベントを実施。大会を盛り上げている。

★宮崎市近郊の良質ゴルフ場でプレーする!
宮崎大淀カントリークラブ
(宮崎県宮崎市大字長嶺字唯ヶ迫1021)
このゴルフ場で「普通」なのは、料金だけである。行き届いたコースメンテナンス、楽しいラウンドをサポートするキャディ、そして何よりもコースセッティングのワクワク感。左ドックレッグから突然視界に現れるつり橋。池越えの粋な演出の7番がそれを象徴している。1990年代開場の短い歴史ながら、名門ゴルフ場に囲まれた宮崎で揉まれたこのゴルフ場のクオリティは、明らかに「普通を超える」。この水準のゴルフ場を「普通」な料金で楽しめる。ここは「ゴルフ天国宮崎」をある意味証明する場所なのである。

青島ゴルフ倶楽部
(宮崎県宮崎市大字折生迫字大谷4180)
このゴルフ場でプレーできることは、間違いなくゴルファーとして幸福なことである。美しい。とにかく美しい。たしかに風光明媚で知られる日南海岸にあるゴルフ場である。美しくないはずはない。しかし、このゴルフ場の美しさはそれだけでは説明がつかない。視界に入るすべての景色が美しいのである。決してボールが飛んでいかないはずの場所も手入れされているこだわり。やはり美しさは細部に宿るのである。1番ホールに立ったとき、泉のよう湧き出る幸福感はこの場所に立たない限り味わうことはできない。

特集「GO!宮崎!GO!」 はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

海外アパレル系クラブメーカーの惹きつけ力

2012年04月11日 — 1:14pm

企業は、自社の拡大を本業の周辺領域から始めるものである。ソフトバンクはIT関係から通信へ、楽天はネット決済に関する事業から拡大させた。職人の国である日本では企業の「周辺領域」は「技術」の周辺である。日本のゴルフクラブメーカーは、「技術の強み」を活かして参入。ダンロップはゴム、ブリヂストンはタイヤ、ダイワ精工(現グローブライド)は釣竿、というように既存の技術の転用である。

一方、海外のスポーツアパレルメーカーにとっては、周辺領域は「競技種目」である。サッカー、バスケットと展開したから次は「ゴルフ」・・・のように。ナイキはインパクト・ゴルフ・テクノロジーズ社(米)、アディダス(独)はテーラーメイド社(米)、プーマ(独)は「cobra」ブランドを買収しての参入である。

参入の背景の違いは「売り方」の違いに表れている。日本のメーカーは高い技術力を前面に出した売り方をしているのに対して、海外アパレル系クラブメーカーは、ゴルファーを「惹きつけること」を重視している。斬新なデザインや配色、画期的な機能で目を向かせているのだ。インパクトで負けたら終わりのアパレル業界を生き抜いてきた生命力がそうさせるのだろう。そのためか、ここ数年、ゴルファーをあっといわせる機能はこれらのメーカーから生まれている。2012年の新製品のラインナップでも、その傾向は変わっていない。日本メーカーに物足りないのは、このような「惹きつける力」なのではないか。やや地味な日本製のラインアップを見てそう感じてしまうのである。

海外アパレル系クラブメーカーの惹きつけ力 はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

華南から北進。光速で刻む、中国のゴルフ時計

2012年04月11日 — 1:13pm

drs2biz
外国人男女の背後のディスプレイ。そこに見える無数の緑の群れ。これは、ゴルフコースのレイアウトだ。日本では考えられない圧倒的な規模。全部で10ものコースを抱えるのだから当然の大きさであろう。ここは、中国の海南(ハイナン)島にある「海口ミッションヒルズゴルフクラブ」。香港の奥、広東省深セン市の「ミッションヒルズゴルフクラブ」(ギネスブック認定の世界最大のゴルフ場、216ホール、12コース)の姉妹コースである。中国の経済発展とともに中国のゴルフが今、動き始めている。

中国ゴルフの発展は、「華南地域」を抜きに語ることはできない。故鄧小平氏が進めた「改革・開放政策」。経済特区が深セン、珠海、海南島など華南地方に集中し、外国人の居留者が増えたことでゴルフ需要を生んだ。華南地方は、亜熱帯地方に属し、冬でも最高気温は20度前後を維持。酷暑の夏を除けば、年中プレーしやすい環境にある。そのため深セン市と海南島はゴルフリゾートの開発が顕著だ。とりわけ海南島は、冬場の気候のよさを活かして、外国人ゴルファーを取り込んでいる。現在、日本からのツアーは、3泊4日、2ラウンドのゴルフツアーで10万円程度が相場。たっぷりゴルフに浸れるリゾート地として定着しつつある。現在、着々と進むアジアでの格安航空会社(LCC)の設立は、東アジア圏内の移動コストと時間地図(ディスタンスカルトグラム)を大きく塗りかえることは必死で、これもまた、追い風となるだろう。

中国で最初のゴルフ場が誕生したのは1984年。それからわずか20年。中国ゴルフの進化の時計は、日本のゴルフ場の発展とは比較にならない。中国という、眠れぬ赤い龍が経済的に覚醒した以上、この流れはある意味、必然という事なのだろう。

華南から北進。光速で刻む、中国のゴルフ時計 はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

中国資本で再出発。本間ゴルフ、ゴルファーの進化を信じるDNA 

2012年04月11日 — 1:13pm


かつて日本のゴルフ市場の主だった「HONMA」。ウッド加工の高い技術力で築いた高いブランド力。だからこそ最後まで「パーシモン」にこだわり、それが新しい時代への適応への遅れを招くという皮肉。その後の迷走を経て、新しい体制で再出発した「HONMA」。しかし、混乱を経ても残った考え方がある。それは、「ゴルファーの進化を信じる」という思想だ。

HONMA Perfect Switch シリーズは、国内製品初のライ角、フェース角、ロフト角の調整機能を標準装備した、先進性の高いドライバーだ。角度を調整してもシャフトの向きが変わらないように工夫した技術力は、たしかに「HONMA」らしいのだが、それ以上に「HONMA」らしさを感じるのは、スペックの基準だ。同シリーズのローエンド向け「460」、アベレージ向け「440」、ハイエンド向け「390」のいずれもスペックが他社の基準より厳しい設定だ。なかでもハイエンド向け「390」の仕様は、「ハード」の一言に尽きる。ロフト角は9°に絞り込み、重量も329gもある。ボールを上げる技術力とパワー、高いヘッドスピードが求められる。オートマチック感は皆無。しかし、その一方で、短い重心距離と高い操作性はハイエンド層には得がたい魅力になっている。厳しいセッティングはゴルファーの進化を見越しての数字なのだ。

経営権が中国資本に移り、買収当初はネガティブな見方も一部ではされたが新たなスポンサーがついたことで「HONMA」の持つ「こだわりの技術力」を生かせる環境が整ったように思う。Perfect Switch シリーズは「HONMA」の反転攻勢のクラブとしての実力は十分である。

中国資本で再出発。本間ゴルフ、ゴルファーの進化を信じるDNA  はコメントを受け付けていません | ゴルファーニュース

ページ上部へ