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Category: ゴルファーニュース

イノベーションの萌芽~ゴルフのミライ~

2013年04月25日 category:ゴルファーニュース

オーストリアの経済学者、シュンペーターは言った、「イノベーションが経済を発展させる」と。もし、それがゴルフの発展にもあてはまるのだとするならば、ゴルフのイノベーションとは、何であろうか?技術革新であろうか、新しいサービスだろうか、全く新しいゴルフ理論であろうか。

イノベーションの萌芽~ゴルフのミライ~は、あらゆるゴルフの新しい胎動に着目。その未来を考察する。

今回は、帝人株式会社(大阪市)グループが開発した、新素材「ナノフロント(R)」に着目する。

nano(ナノ)。ミリが0.001(千分の一)を表すのに対して、ナノは、0.000 000 001(十億分の一)を示す。帝人が開発した、ナノフロントは、繊維1本あたり700ナノメートルの細さ。メーカー発表値で、髪の毛の約1/86、断面積換算では、約1/7500の細さしかない。この細い細い繊維がゴルフを変えようとしている。

アクシネットジャパン(東京都江東区)は、この細い繊維に着目。『ナノロック』の製品名で「フットジョイ」ブランドのグローブに採用した。細い繊維で何が変わったのか?それは、
・皮膚との接点が小さくなったため、高い密着感と適度なつけ心地を実現。密着感は、高いグリップ力を生む。
・細い繊維ゆえに、繊維間の隙間が広く通気性と撥水性が高くなった。不快な蒸れもなく、雨や汗に強い。

であるが、それ以上に革命的となったのは、その薄さだ。

細い繊維ゆえに実現した薄さは、従来のグローブの概念を覆した。天然皮革や人工皮革のグローブが主流であるゴルフグローブゆえに、その薄さは異端に感じるゴルファーもいるだろうが、その感覚は、これまで薄いグローブが存在しなかったゆえだと思われるのだ。そもそも、グローブに一定の厚さが必要だという理由はない。むしろ、素手に近い感覚はゴルファーの要望に近いはずだ。

この薄いグローブ誕生は、ゴルフグローブの大きな分岐点になるだろう。グローブに素手に近い感覚を求めるゴルファーは、このグローブを手放さないはずで、この市場の一定の支持層となると考えられる。このグローブが浸透するにつれて、決して少なくないゴルファーがこの薄いグローブへ乗り換える可能性は十分だ。

ナノロックの成功によりダンロップ、ブリヂストンもこの分野に参入。供給体制も整いつつある。

このナノフロントは、素材にポリエステルを使用している。ポリエステルは、被服に多く活用されており、大半のスーツの裏地はポリエステルである。また、ペットボトルの素材もこのポリエステルの仲間である。

筆者がナノフロントに着目するのは、帝人が取り組んでいる「繊維を細くする技術」へのアプローチの進展にある。ナノフロントは、比較的構造が単純なポリエステルが素材であるが、今後この技術が発展すれば、ポリエステル以外の素材で細い繊維がうまれてくるだろう。その都度、画期的なゴルフ用具がうまれる可能性が高い。さまざまなメーカーがゴルフ用具への応用を試みることが予想されるからだ。グローブはもちろん、グリップ、ウエア、キャップ(サンバイザー)に留まらない発展が期待される。

そう遠くない将来に、私たちは天然芝とほとんど変わらない風合いをもつ人工芝でパットの練習をしているかもしれないのだ。

たとえ、小さなテクノロジーの進化であっても、ゴルフへ影響を与える。ゴルフは技術と資本の親和性が高い分野だ。いろんな「今」着目し、ゴルフへの波及効果を考えることもゴルフの楽しみの一つであるといえる。

名設計家のラビリンス。デズモンド・ミュアヘッドのデザイン

2013年02月21日 category:ゴルファーニュース



Mission Hills Country Club, Rancho Mirage, California / danperry.com

「このゴルフ場を設計した人物は何を考え、何を想ったのだろうか?」

デズモンド・ミュアヘッド(1924年~2002年)

彼の手がけたゴルフ場でプレーをした経験をもつゴルファーのほぼ全てに共通する思いなのではないだろうか?斬新、個性的などという言葉では、説明できない独特の世界観を有するゴルフ場を遺した稀有の設計家を追う。

歌手として活躍する一方で、女子プロゴルフ界の発展に貢献したダイナ・ショア。彼女の尽力で産声をあげた大会の系譜をもつクラフト・ナビスコ選手権。春の訪れを告げ、LPGA(米国)の歴史に名を刻む伝統あるこの大会は、ロサンゼルスから西へ車で2時間ほどのランチョ・ミラージュにあるミッションヒルズ・カントリークラブで行われる。

このゴルフ場の設計を手がけたデズモンド・ミュアヘッドは、イギリス出身でケンブリッジ大(英)、ブリティッシュ・コロンビア大(カナダ)で建築や造園学を学んだ。

このころのミュアヘッドは、アーノルド・パーマーやジャック・ニクラウスら名ゴルファーと組んで仕事をしていた。ニクラウスとのコンビで設計したミュアフィールド・ビレッジ(米国・オハイオ州)は、ゴルフ設計家としての彼の名を世界に知らしめた。

美しく、水と緑が調和した流線型の設計。ニクラウスとのコンビだったゆえに「ミュアヘッドらしさ」は、希薄化しているのかもしれないが、ゴルファーへの多くのものを訴えるには十分なゴルフコースである。

しかし、この後突如、ミュアヘッドはゴルフコース設計の世界から姿を消す。

ストーン・ハーバーゴルフクラブは、10年の空白を経てゴルフコース設計に戻ったころの設計である。10年の歳月は、この設計家をどのように変えたのか?

波のようにうねるアンジュレーションがきついフェアウエイだろうか?大胆に組み入れるウォーター・ハザードだろうか?

それは、表面的なものでしかないだろう。そう言いたくなるのは、彼が日本にその答えの断片を遺しているからだ。

富士クラシック。葛飾北斎の『富嶽三十六景』をイメージしたとされるこのコース。ここでのラウンドは、ほぼ全てのゴルファーに忘れられぬ記憶として残される。改めて紹介するのがはばかれるほどに有名となった17番。ミュアヘッドは、『富嶽三十六景』の代名詞、「神奈川浪裏」を大胆にグリーンのデザインに取り入れている。

しかし、その大胆さの一方で富士クラシックのコース全体のイメージは「地味」である。地味だと感じる理由は、新陽カントリー倶楽部の存在があるからだ。

これでもかとゴルファーに見せつける大胆なレイアウト。視界に飛び込む強烈な印象を刻む「新陽」の各ホール。この強烈なイメージの洗礼を受けると、「富士クラッシック」は地味な印象を受ける。

ミュアヘッドは、なぜこのようなコントラストを描いたのだろうか。答えは「ゴルフ場がどこにあるか」にあると私は思う。

富士山を臨む「富士クラッシク」は、富士山の存在こそが主である。大胆なデザインは平面化させて、3次元的なデザインは富士の存在を前面に出す。視点は遠くの富士から徐々に手前に移るようにする。「地味」なデザインは、そのような仕掛けに基づくものではないか。一方、そのような背景がない「新陽」は、リンクス風バンカーなど立体的なデザインを豊富に入れる。

ミュアヘッドが大切にしたのは、自らのイメージと景色との融合ではないだろうか。そう考えると、この設計家の自己主張の意味が見えてくる。ゴルフ設計家の自己主張。ゴルフ場は、その存在が巨大な造形物であるが故に、周囲の風景と切り離せない宿命をもつ。であるならば周囲の景色とのマッチングは細心の配慮が必要となる。富士と新陽の異なるつくりは、10年の空白の末にたどり着いたこの設計家の境地が凝縮されているように思えてならない。

哲学や心理学にも造詣が深かったされるミュアヘッド。あらゆる要素が溶け込んだ彼の思想が詰まったコースでプレーすることの本当の楽しみは、彼の思考回路に入り込む楽しさなのかもしれない。

YAMAHA。技術で勝って、ビジネスも勝て!

2013年01月23日 category:ゴルファーニュース


2012年は、「ヤマハ」のシーズンだった。同社と契約する賞金王、藤田寛之プロと谷口徹プロが大活躍。技術に一家言ある2人のプロが愛用するクラブ。職人気質のメーカーの努力が結実したシーズンでもあった。しかし、ビジネスとしてヤマハを見ると、脆さが気になるメーカーでもある。好きなメーカーだけに残念だ。ビジネスとしてのヤマハの課題は、現在多くの日本の製造業が抱える課題でもありそうだ。

「ヤマハは嫌いだ」と口にするゴルファーにあまりお目にかかったことがない。たぶんあなた自身もあなたの周辺のゴルファーも同じだろう。職人気質を好む日本人にとって、技術に徹底的にこだわるヤマハのメーカーとしての姿勢は、シンパシーを感じるに値するメーカーなのだ。ヤマハが「機会があれば」チャレンジしたいメーカーの一つであることは、間違いないだろう。

では、あなたのゴルフクラブセットの中に、ヤマハのクラブは入っているだろうか?

「イエス」と答えたゴルファーは、きっとそれなりに満足しているはずだ。ヤマハの製品は、それくらいの実力がある。「ノー」と答えたゴルファーの理由の大半は、「まだ、ヤマハを手にしてみようという気にならない」ということだろう。国内2強のD社、B社を愛用しているゴルファーならば尚のことだ。言い換えると、ヤマハは潜在的な市場を国内に抱えていることになる。であるならば、「魅力的に見える隣の芝生」として自社の製品をより青くみせる努力はビジネス的に重要な戦略となるだろう。

それが「inpresX」ブランドの育成ではなかったのか?

「inpresX」シリーズの2013年の展開は、このRMX(リミックス)が担うのだが、その新作発表会で前面に出たコピーが「解体」であった。ヘッドとシャフトを別売りすることから「バラバラ」にするイメージからそれが来ているのだろう。現状に安住せず、新しい試みをするヤマハらしさであるし、こういう挑戦は大歓迎である。

ただ、問題はメーカーが発するメッセージがなぜ「解体」なのだろうか?ということである。

私達ユーザーは、そのバラバラに売られたヘッドとシャフトをどのように組み合わせ、自分のゴルフに役立てていくかにこそ関心があるのだ。「解体の先」こそが、私達にとって重要なのだ。もちろん、興味があるゴルファーやコアのユーザーは有料雑誌を買って、使い方をマスターしようとするだろう。しかし、「これからのヤマハユーザー」にとってはこのような訴え方では、ヤマハの敷居は高く感じるのではないか。

「日本の家電メーカーの機能は、むずかしすぎるものが多い。多機能についていかない消費者も増えている」通販大手ジャパネットたかた(長崎県佐世保市)の高田明社長は、数年前にこう発言している。多機能を謳う一方で、ユーザーにとって理解の難しい機能を搭載する日本の家電メーカーの姿勢に疑問を呈している。販売の最前線に立つ同氏にとって、この疑問はより切実に感じたのだろう。新しい機能がユーザーにとってどんなメリットがあるのか?それをはっきり示さない、示せない日本の家電メーカーのうち数社は数年後の現在、巨額赤字に転落した。同氏の発言は、この未来を予測していたかのようだ。

ヤマハに限らず、日本のメーカーの技術の追求は、決して衰えさせてはならないストロングポイントである。しかし、これからの時代は、それだけでは不十分である。自社の製品を使えば、どのような未来が待っているかを強く訴える必要がある。その機能が、いかに新しく、いかにユーザーの未来を変えることができるのか。それを強く示す必要がある。例えば、アップル社のiPadの企業向けCMはそれが端的に出ている。自社製品を手にしたときのイメージをいかに喚起させることができるか。そのアピールがより強く求められる時代になったのである。

私は、ヤマハのメーカーとしての潜在能力を高く評価している。一方で、日本のメーカーの多くが抱える問題を克服できていないとも感じている。「inpresX」ブランドは、ぜひ大切に育ててもらいたい。発するメッセージは創造的であるべきだ。「解体」では未来を語っていることにはならない。私達は、「inpresX」を使えば、こんな楽しいゴルフライフが待っているという未来が見たいのである。

プロの思考、プロの技。L.ドナルド@宮崎ダンロップフェニックス

2012年12月17日 category:ゴルファーニュース


高度化された戦略の結晶であるプロの業(わざ)。ケーススタディの手法を用いて、これをアマチュアゴルファーにも役立つ法則へと導いてみよう。

今回は、ルーク・ドナルドのダンロップフェニックストーナメント3日目を採り上げる。初日-6、2日目-7のロケットスタートで首位を独走したドナルド。しかし、3日目は、パープレーを強いられる展開に。しかし、この3日目にこそ、彼が世界のトッププレーヤーである真髄が詰まっていた。

安定性の根源とは何か?

ルーク・ドナルドといえば、アイアン。「ショートゲームが自分のプロゴルファーとしての50%を占める」と言い切るほどの絶対的な強み。道具の進化に伴い、長くなる一方の欧米のコースセッティングにあって、「飛ばないドライバー」で結果を出し続ける稀有のプロゴルファー。

彼の生き様から届くメッセージは、「自分の強みを伸ばしなさい」だろう。まずは、これを肝に命じたい。

今回の話は、ここからである。
11月17日(土)。宮崎は雨だった。強風と豪雨の悪コンディション。数時間の中断を挟むほどの雨。多くのプロゴルファーがスコアメイクにてこずる展開。この日に限っては、ドナルドも同じだった。3バーディー、3ボギーのパープレー。2日目までの-13の結果から考えると急ブレーキがかかったといえるだろう。

数字は正直だ。平均ストロークは当然として、平均パット数、パーキープ率、パーオン率も軒並み2ケタ順位。悪コンディションと自身のショットの不調。それがよく表れている。しかし、そんな状況下でドナルドは、信じられない数字をたたき出していた。

フェアウェイキープ率。これが堂々の1位タイだったのだ。

この数字が何を意味するのかは、最初のドナルドの強みと絡み合ってくる。アイアンの強み。これを活かす為の絶対条件は何か?それはミドルホール以上ならばフェアウェイキープである。この前提が覆れば、自分の強さを発揮することはできない。ラフからベストなアイアンショットは打てないからだ。ドナルドは、このような状況下にあっても、正確にフェアウェイを守れるドライバーショットを持っていたのである。

そこで学ぶべきプロの業(わざ)。
自分の強みを知り、それを磨く。まずはこれが大切なことだ。そして、それと同等、いやそれ以上に自分の強みを活かす舞台を整えることを重視すべきだ。もしあなたが、ミドルパットが得意なゴルファーだとしよう。それにも関わらず4オンばかりするようでは、その強みを活かすことはできない。確実に2、3オンできる技術をも重視するべきなのだ。

自分の強みを磨く。その「壱の矢」を活かす為に、「弐の矢」の技術を磨く。自分のスタイルは、そのようにしてつくりあげていくべきなのである。
ルーク・ドナルドの安定性の根源。それは、アイアンの強みを活かす、ドライバーショットの技術の高さにあったのである。

★GOLF-MODEのルーク・ドナルド関連記事はこちら。

特集「みんなで共有、みんなの知恵」

2012年11月21日 category:ゴルファーニュース



IMGP2483 / russelljsmith

10月号アンケート「教えてください!アイアンの得意な飛距離」にたくさんのご回答ありがとうございました。お寄せいただいた皆様のご意見は、実戦で試行錯誤されたテーマだっただけに含蓄に富むものばかり。それで今回、「みんなで共有、みんなの知恵」という特集記事としてご紹介いたします。

「飛距離が半端な場合、どのように調整していますか?」

今回のアンケートでは、このテーマが白熱!読者様の知恵を拝見させていただきました!

まずは、一番の多数派となったのが、
「番手を上げて調整」(ゴルフの達人様・奈良県)
に代表される「番手上げ」の皆さん。番手を上げる場合、距離を短く詰めないといけません。そこでの工夫で2つのグループに分かれました。

「番手を上げて8割程度のスイングをする」(はし様・長崎県)
「番手を上げて軽く打つ」(バラード様・東京都)の皆さんの工夫です。
ラウンド中に力を抜くショットをすることで自然に、力みを減らす工夫にもなっていますね。

もうひとつのグループは、
「番手を上げてトップを小さく」(sanagiman様・愛知県、tora様・兵庫県、星王子様・茨城県)の皆さん。
この工夫が、一番の支持を集めました。「番手を上げてトップの高さで調整」(ヒデさん様・大阪府)するメリットは、スイング強度を一定に保つことができることでしょう。安定感のあるコンパクトなスイングを心がけておられる印象です。「番手を上げてフォローを小さく」(ぴーすけまろん様・北海道)は、そのよい例かと思います。

次の支持を集めたのは、
「スイングのふり幅」(ローズマリー様・兵庫県)、
「フリ幅で調節する」(まさるちゃん様・長野県)の皆さん。
ふり幅調整のメリットは、スイングリズムの安定。スイングリズムは、多くの女子プロゴルファーが大切しているとても重要な考え方。「番手は変えずスリークウォーター」(テツシ様・神奈川県)、「トップ位置を変えて(調整)」(ikemenn様・大阪府)のように自分に合った幅を掴めれば強い武器になりますね。

また、フルスイング重視で工夫をされている皆さんも多くおられました。考え方は、2つに分かれました。
「短く握る」(sonq様・東京都)、
「グリップを短く持ってフルスイング」(ブロ様・富山県)の皆さん。
短く持つメリットのひとつは、前傾姿勢の意識が高まること。ブロ様は、気をつけていることとしてヘッドアップを挙げておられます。注意することと工夫が一体化した選択ですね。

もうひとつは、
「番手を下げてフルスイング」(シンジ様・東京都、ぴかそ様・滋賀県)。
アイアンショットはどうしてもフルスイングが、できにくいもの。「番手を下げて振り切る」(たけちゃん様・熊本県)の「振り切る」に想いがこもっておられる印象をもちました。

工夫は、ひとつとは限りません。複数の工夫を組み合わせるハイブリッド派の皆さんもおられました。
「ピンの位置と風を考えながら番手を上下させる」(ボギーパパ様・青森県)、
「スイング幅を小さくしたり、短く持ったりしている」(まささん様・三重県)、
「番手を上げてスイングの大きさを調整」(megu様・大阪府)の皆さん。
あらかじめ決めている工夫から組み合わせる方と、
「その時の、状況で決める。(コンパクトにスイング、短く握る、スライス、フックで打つ)」(akihiro様・東京都)
のように、まさにその場で決める方がおられました。工夫の引き出しを増やしておくと幅が広がりますね。

工夫に正解はないと思います。年齢、性別、体格、得意のクラブなど考慮しなければならないたくさんの要素があるからです。その中で自分にとってのベストやベターを探していくこと。これもゴルフの面白さの一つではないでしょうか。読者様のお知恵を拝借して、そう痛感しました。アンケートにご回答下さった読者様、ありがとうございました。

合言葉は、さりげなく。おしゃれの流儀!

2012年11月21日 category:ゴルファーニュース


この秋は、ベストがベスト!

オヤジギャグのような合言葉で、ベスト着用のコーディネートにこだわっていた筆者。そんな背景があったため、男子国内ツアー三井住友VISA太平洋マスターズ(11月8~11日)での石川選手のベスト姿を見て一気にテンションが上昇。「いや~、これこそベストのベストな着こなし!」と感じ入ったのです。2日目がダークブラウン、3日目が濃いめのスカイブルーのベストを着用した石川プロ。この2日間の着こなしからベスト着用時の「使える!テクニック」を探っていきましょう。

今も昔も定番アイテムのベストですが、これをお洒落に着こなすことは、難しいですね。誰でもできるお洒落の基本テクニック。それは、色のコントラストです。黒のパンツにグレーのジャケット、中に白地のシャツを合わせれば、少なくとも変には見えません。理由は色のコントラストがはっきりするから。しかし、このテクニック、ベストには通じません。シャツとベストに色のコントラストをつけてしまうと、ベストが目立ってしまい逆効果なのです。そこで今回の、石川プロのコーディネート。おしゃれのポイントは、ベストにあわせたシャツに秘密がありました。

ベストの色より淡い、同系色のシャツをあわせていたのです。これがピタリとはまりました。筆者は、3日目のコーディネートが特に気に入っています。3日目のベストが濃いスカイブルー。これをお洒落に着こなすのは、至難の業。これをパウダーブルーほどの淡いシャツ(高めのカラーもグッド!)であわせ、パンツは白。さらに白のバイザーと組み合わせたことで、ベストが見事に輝きました。ベストを、同系色のシャツにあわせるやり方は、最近の高校生の制服でもみられるスキル。白のシャツ(ブラウス)+白のベストが定番で、ベストは、必ずシャツより濃い目の色使いになっています。「ベストには、同系色の淡いシャツと合わせる」は、知っておいて損のないテクニックです。ただ、定番の黒、紺のベストは、白と合わせても映えます。その際は、パンツの色をベストより淡い色(濃いグレー系など)で合わせるのがおススメです。

これからベストを揃える方は、ベストの色だけでなく、あわせるシャツの色も意識して選ぶといいでしょう。また、シャツは半袖か七分袖が映えます。長袖着用時は、袖をまくっておくとかっこよく見えます。

特集「GO!宮崎!GO!」

2012年10月24日 category:ゴルファーニュース



朗報は突然やってきた。ルーク・ドナルド参戦!久々の大物選手の来日。舞台は「フェニックスカントリークラブ」。11月は宮崎の季節だ。ルークが参戦する「ダンロップフェニックストーナメント」が15日(木)から。さらに国内女子ツアーの最終戦、「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」が翌週開催。見るもよし、プレーするもよし。秋はスケジュールに「宮崎行き」を書き込んでみてはいかがだろうか。

★チャンピオンコースでプレーする!
秋から春先にかけて維持されるプロ仕様のコースセッティング。難コースをより難しく仕上げられたコースでラウンドする。そんな体験ができるのは、この時期の宮崎の最高の魅力である。
フェニックスカントリークラブ
(宮崎県宮崎市大字塩路字浜山3083)
不死鳥は松林に棲み、太平洋からの海風に乗って舞う。物語は9章立ての3つのストーリー。あなたは物語を紡ぐ主人公だ。クラブハウスに入るとすぐにあなたは光を奪われる。「ダンロップフェニックストーナメント」と共に歩んだこのゴルフ場の歴史を刻んだ荘厳なロビー。物語はここから始まる。住吉・日南・高千穂の3つのコースレイアウトは、驚くほどシンプルだ。当然だろう。このコースの最大のハザードは、不死鳥の愛した松林と海風だからだ。だからラウンドは「悩む」ことと共にある。低い弾道で海風を松林に守ってもらうか、海風を読んで松林を越える高い弾道で勝負するか。世界のトッププロと思考を共有する至福。それがこのゴルフ場の最大の魅力なのである。

宮崎カントリークラブ 
(宮崎県宮崎市大字田吉4855-90)
市内を流れる大淀川を挟んで北側に位置するフェニックスゴルフクラブに対して南側、宮崎空港に隣接する位置にこのゴルフ場はある。松林に囲まれ、強い海風が吹きつける点ではフェニックスと同じだが、この2つのゴルフ場の趣は大きく異なる。洋芝にこだわるフェニックスとは対照的にここは、高麗芝にこだわっている。高麗芝の鏡のようなグリーンは、芝目の微妙な違いによって右へ左へとボールを誘惑する。1953年から刻んだこのゴルフ場は、小さな努力を積み重ねて現在の地位を得た。豪華なつくりのゴルフ場とは異なる落ち着いた佇まいこそが名門の証である。

★一流のプレーを見に行く!
宮崎市観光協会は、11月のゴルフトーナメントに連動した各種イベント&キャンペーンみやざきゴルフマンスを展開。宮崎への玄関口、宮崎空港とJR宮崎駅では2大会に関連するイベントを実施。大会を盛り上げている。

★宮崎市近郊の良質ゴルフ場でプレーする!
宮崎大淀カントリークラブ
(宮崎県宮崎市大字長嶺字唯ヶ迫1021)
このゴルフ場で「普通」なのは、料金だけである。行き届いたコースメンテナンス、楽しいラウンドをサポートするキャディ、そして何よりもコースセッティングのワクワク感。左ドックレッグから突然視界に現れるつり橋。池越えの粋な演出の7番がそれを象徴している。1990年代開場の短い歴史ながら、名門ゴルフ場に囲まれた宮崎で揉まれたこのゴルフ場のクオリティは、明らかに「普通を超える」。この水準のゴルフ場を「普通」な料金で楽しめる。ここは「ゴルフ天国宮崎」をある意味証明する場所なのである。

青島ゴルフ倶楽部
(宮崎県宮崎市大字折生迫字大谷4180)
このゴルフ場でプレーできることは、間違いなくゴルファーとして幸福なことである。美しい。とにかく美しい。たしかに風光明媚で知られる日南海岸にあるゴルフ場である。美しくないはずはない。しかし、このゴルフ場の美しさはそれだけでは説明がつかない。視界に入るすべての景色が美しいのである。決してボールが飛んでいかないはずの場所も手入れされているこだわり。やはり美しさは細部に宿るのである。1番ホールに立ったとき、泉のよう湧き出る幸福感はこの場所に立たない限り味わうことはできない。

100を切るトライアングル~易しめウッドで基本を磨こう!~

2012年07月31日 category:ゴルファーニュース

GOLF-MODEは、グロス100切りを目指すゴルファーを全力応援!
毎回1つのテーマに対して、(1)意識を変える (2)行動を変える (3)習慣を変える 
の3つのアプローチで「あなたのゴルフを変える」をサポート。この3つのアプローチが形成する三角形(トライアングル)で目標達成を目指します!

第1回のテーマは「易しめウッドで基本を磨こう!」です。

New Driver / jdog90

◆STEP1<<(1)意識を変える (2)行動を変える (3)習慣を変える>>
ゴルフは、今を楽しみ、そして上達を楽しむスポーツです。100を切ることを目標にする頃は、そのころの楽しみ方を通じて、上達の芽を育てていきましょう。
さて、ドライバーはミスを多発しやすく、リスクの多いクラブ。スコアメイクの為に割り切って封印しましょう。ですからメインクラブを、3Wと5Wとし、これに7(9)WとUTを組み合わせて長~中距離までをカバーします。短距離はウェッジ系のAW(PS)/PW/SWでまとめます。FWやUTはミスの少なさと方向性の安定が魅力。その特性をスコアメイクに活用します。

ミドルホールでは、3W→5W(UT)→AWで3オン狙いが基本の型。ロングホールでも4オン狙いで十分ですから3Wで第1打を打っていきます。また、アイアンはその間の距離の隙間を埋めるクラブと割り切ります。

☆易しめのウッド系を中心にミスをしにくいクラブで攻める!と意識を変えましょう。

◆STEP2<<(1)意識を変える (2)行動を変える (3)習慣を変える>>
メインのクラブを変えると必然的に練習も変わります。ウェッジ系で50~60Y以内のアプローチ練習が重要になってきます。実戦でFW、UTを中心に使い、アイアンをなるべく使わない選択をしますから、ボールをグリーンに乗せる役割は、ウェッジの仕事になるからです。ですからアプローチ練習には十分時間を割きましょう。

☆FWやUTは「ボールをグリーンそばまで運ぶクラブ」、ウェッジ系は、「ボールをグリーンに乗せるクラブ」と理解し、このクラブでの練習量を増やしましょう。


Retief Goosen contemplating his approach shot at 10 (18w). / Hone Morihana

◆STEP3<<(1)意識を変える (2)行動を変える (3)習慣を変える>>
FWやUTをメインに据える理由はもう一つあります。それはFWやUTはレベルブローで打つクラブであるということです。レベルブローで打つクラブをじっくり使い込んで、これをマスターするという狙いがあるのです。ゴルフでは、クラブによってスイング軌道が変わるのはリスクです。出来る限り同じスイングを再現できることは上達の重要な要素。レベルブローのスイングを通じてこの基本の型をつくっていきましょう。

☆FWやUTを多用し、レベルブローでのスイング量を増やす習慣をつけましょう。そうすると、ドライバー、アイアンの打ち方に応用できるレベルブローでのスイングの型が出来てきます。

これは、標準的なゴルフ場で(パー)72+(ボギー進行で+1×18ホールで)18+αで100ライン切りを目指す戦略です。また、レベルブローが上手になったころがドライバー、アイアン解禁のタイミングです。

プロの思考、プロの技。タイガー・ウッズ@サンフランシスコ 全米オープン

2012年07月30日 category:ゴルファーニュース

高度化された戦略の結晶であるプロの業(わざ)。ケーススタディの手法を用いて、これをアマチュアゴルファーにも役立つ法則へと導いてみよう。その第2回目(1回目はこちら)。

今回は、6月にオリンピッククラブ・レイクコースで行われた全米オープンゴルフ3日目、タイガー・ウッズの放ったリカバリーショットを採り上げる。舞台は14番ミドル。緩やかな左ドックレッグで左側からせり出した林が特長的なホール。アイアンで右方向へ打ち出そうとしたタイガーだったがミスヒットし、ボールは左へ。ラフのファーストカットで止まったボールは、林によってグリーン方向が塞がれてしまった。グリーン右側のバンカーがかろうじて見える状態。グリーンまで約150~160Y。フックをかけなければグリーンには乗らない。ここでタイガーは、基本に忠実であるために意外なクラブを選択をする。その意図は何だったのだろうか。

まっすぐ打ったとしてもバンカー。絶対条件としてフックをかけなければならない。だからまずは、フックをかけることを重視しがち。低く打ったほうがリスクも少なく、コントロールもしやすい。だが、タイガーが重視したのは高さだった。選択したクラブはPW。高くそして、「あまりフックをかけずに」放たれたボールは、グリーン右奥へ引っかかり、傾斜を利用してピンそばまでボールは転がったのだった。

そこで見えてくるタイガー・ウッズのプロの業(わざ)。それは、リカバリーショットであったとしても、セオリーという基本を重視することだ。

ミドルホールの第2打は、高く打ち、スピンをかけてグリーン上でボールを止めるのがセオリー。タイガーは、そのセオリーを忠実に守り、そこから独自の技術でショットをアレンジしたのだ。リカバリーショットは、状況打開を重視するあまり、ショットの難易度を自分で上げてしまうことが多い。無理なショットを無理をして打ち、さらに悪い結果を招くという負のサイクルに陥りがちだ。タイガーのこのショットは、リカバリーショットにおける基本的に考え方を示している。それは「セオリーに沿ったリスクの少ない選択をすることの重要性」だ。ゴルフの基本的な思想はここにある。タイガー・ウッズほどのレベルに到達した選手であってもそれを軽んじるような行動を決してしないのである。

大人旅×ゴルフ「十和田湖を旅する13年後のアイツたち」

2012年07月30日 category:ゴルファーニュース

レンタカーを借りよう。BGMなんか要らない。気の置けない仲間だったら、近況報告で十分だ。幸運なことに隣席に女性がいたら運転には気をつけよう。慣れない山道ドライブ。カーブはドライビングテクニックの要だ。旅行に行く前に、箱根まで彼女と行って練習。月島では車なんか使わないからね。


Kossy@FINEDAYS

冷涼な気候を求めて東北へ。目的地は十和田湖周辺。東北新幹線、青森駅から国道103号線を使って南へ。1時間半あまりの山道ドライブ。雄大な八甲田山を見よう。青森から十和田湖に入る者だけが楽しめる景色だ。
この旅の拠点は奥入瀬渓谷にある奥入瀬 森のホテルにとる。爽快な吹き抜けロビー、森の中に佇むようなカフェ。スタンダードツインのゆったりとした室内。猿倉温泉から引く露天風呂が自慢のホテルだ。


TANAKA Juuyoh (田中十洋)

荷物を置いて少し休憩したら日が暮れないうちに奥入瀬渓谷へ行こう。あなたを癒してくれる森の妖精が待っているのだから。

アイアンが下手なオレは、5番のショートホールで。ダイは6番ミドルで池につかまった。レギュラーティから300Y近く飛ばして池に一直線。日に当たらないようにカートに乗っているナオトはずっと笑ってた。ジュンは後の組で回っている女性3人組が気になっているようだった。

八甲田ビューカントリークラブは、八甲田山を望む27ホールを備える。十和田湖コースは9ホールのうち6ホールに池があるレイアウト。名前に偽りのない徹底したこだわりが魅力だ。広々としたフェアウエイ。フラットなレイアウトは丘陵コースにいることを忘れさせてくれる。ラウンドが終わったら温泉を楽しもう。普段の疲れもまとめて洗い流せるはずだ。

朝4時にダイがみんなをたたき起こした。朝が早い仕事のヤツは頼りになる。医者になったジュンがナオトの体調を慎重にチェックする。「テツロー、お前が運転しろよ」とダイがオレに車の鍵を渡す。「お前が、ナオトに十和田湖の朝日を見せようっていったんだからな」。

TANAKA Juuyoh

「やっぱすっげーな」とダイがガキのような声を出す。「もうTEENじゃないんだぜ」とジュンがクールに言う。しばらく十和田湖の朝日をみんなで眺めた。
「いつかまた来ようぜ」とナオトが言った。すぐに「当然だろ!」とみんなで声をそろえた。

14歳の少年四人を描いた『4TEEN』(新潮文庫)の第一作を石田衣良が小説新潮に発表したのは1999年。直木賞受賞の日本の『スタンド・バイ・ミー』として今も少年たちの手にこの本がある。そして、あれから13年。27歳になったであろう彼らは、お互いを大切に想いあってこんな旅をしているに違いない。大人になった少年たちは、たぶんゴルフバックを担いでいる。だってゴルフは何時間もみんなで笑顔でいられるスポーツなのだから。

大人旅×ゴルフ「軽井沢で過ごす夏」

2012年07月09日 category:ゴルファーニュース

軽井沢。初夏の声を聞くと心の中に湧き上がる、渇望と羨望。
都会のアスファルトを抉(えぐ)る荒れ狂った真夏の太陽も、この地では木立の隙間から、母なる大地を優しく照らす。大きく吸いこんだ少し冷たい空気は、ビジネスという迷宮の中で倦み傷ついた身体をゆっくりと少年の日々にもどしてくれるだろう。

Karuizawa / veroyama

第114回直木賞を受賞した小池真理子の「恋」(新潮文庫)。静かに人生を終えた主人公、矢野布美子の「現在」から始まる深遠な大人の恋愛物語。この物語の重要な舞台装置となったのが軽井沢である。若き日の布美子の人生を決定的に変えた片瀬夫妻が所有する、中軽井沢の別荘。

ゆるやかな風が吹き、外の木々が涼しげな葉ずれの音をたてた。くるくると蠢(うごめ)く光の渦がカーテンに映し出され、室内にかすかな甘い夏の香りが漂った。

小池真理子の筆にかかった軽井沢の地は、鮮やかに軽やかに、そして最後は、厳かに読み手の心に染み渡っていく。


Hotel OTOWANO MORI, Karuizawa / veroyama

窓を開け軽井沢の空気を室内に入れるとき、五感に触れるものすべてに自然の恵みを感じていたい。軽井沢の宿には、そんなささやかで贅沢な願いを求めてしまう。開業30年の旧軽井沢 ホテル音羽ノ森は、美しい庭園と西洋風の建物に代表されるもてなしで旅人の切実な願いを叶えてくれるはずだ。このホテルのもうひとつの顔はスイーツ。パテイシエのかける魔法は多くの女性に笑顔を授けてくれる。

あなたが、生粋のゴルファーである限り、旅の主役はここでもゴルフである。軽井沢72ゴルフ 北コースは、NEC軽井沢72ゴルフトーナメントの開催コース。その名が示すとおり、東西南北の全72コースある軽井沢を代表するチャンピオンコースだ。中でも北コースは最高の難易度を誇る。ただ、広いフェアウエイ、起伏のないフラットなコースレイアウトは、その戦略性を隠し味にとどめ、リゾート気分を損なうものではない。このコースのアクセントは池。上がり3ホールにあるそれぞれのウォーターハザードは、あなたをリゾート気分から解き放ち、真剣勝負の妙味を思い出させてくれる。


Rolleiflex_Karuizawa_19 / Jun Takeuchi

デッキチェアに身体を預け、包み込まれるような背中の感覚を研ぎ澄まし、ゆっくりと目を閉じる。軽井沢に響き渡る風の音色が、耳元で静かに囁(ささや)く。まどろみの中でみる夢は、命の泉となって、乾ききった心を潤してくれるだろう。

プロの思考、プロの技。有村智恵プロ@福岡フンドーキンレディース

2012年07月09日 category:ゴルファーニュース


苛烈なトーナメントの世界を生き抜いていくために身につけられたプロの業(わざ)。これは、高度化された戦略の結晶である。これをケーススタディの手法を用いて分析。そこから出る結論をアマチュアゴルファーにも役立つ法則へと導いてみよう。

今回は、有村智恵プロ(日本ヒューレットパッカード)のフンドーキンレディース初日。15番ホールから起こった3連続バンカーの場面を採り上げる。特に3ホール目の17番ミドルは、第2打が目玉になり、第3打目をバンカーから出せない苦しい展開。3ホール連続でのバンカーは、プロであっても精神的にきつい場面。有村は、この危機を最小限に食い止めるどんな工夫をしていたのだろうか。

謎を解く鍵は、大会前のコメントにある。「厳しいコース。小技といった技術力が試される」。そう宣言して臨んだ今大会。アップダウンのきつい丘陵コースで知られる福岡カンツリー倶楽部和白。打ち上げ、打ち下ろしの距離感をあわせにくいことを見越しての想定だった。うっすらと見えてくる自分の未来図。その「想定」とともに有村は、可能性としては「十分ありえる」と覚悟して、3ホール連続のバンカーショットと向き合っていたのだ。

さらにその想定から有村は対策を打っていた。それはドライバーの安全運転である。このコースでの主戦場はグリーンへのアプローチ。第1打を曲げては次の展望を開けない。ドライバーで無理をしない選択は、16番、17番、18番の第1打がフェアウェイを捕らえるという結果をもたらした。

精神的な備えは、十分な心の余裕を残していた。高い集中力で危機に対処していた有村は、17番の第4打目、2回目のバンカーショットは、ピンそば約30cmのファインショットを見せたのである。このホールをボギーで逃れ、この3ホール連続バンカーの危機をトータル+1で凌いだのである。

そこで見えてくる有村のプロの業(わざ)。それは、「自分に何が起こるのかを予測する力」であり、「その予測に対する備え」といえる。自分に起こることを正しく理解し、それに対して備える。それは、ゴルフのラウンドにおいて、アマチュアゴルファーにも求められる力でもあるはずである。(文中敬称略)

おし!ドラ PHYZプレミアムモデル

2012年06月11日 category:ゴルファーニュース



GM用具担当が責任編集でお送りします、「おし!ドラ」。ドライバー情報を辛口で攻めていきます!よろしくお願いします!

3回目の今回は、PHYZ(ブリヂストン)の新製品、『ファイズ プレミアム モデル』です。プレミアムですよ。プレミアム。メーカー希望価格が11万5000円ですからね。そりゃプレミアムでしょう。自分には、二百数十円のビールしか縁のないプレミアム。GM読者様はターゲットの価格帯でしょうか?

さすがに、BSさんも高い需要があるとは思っていないのか受注生産商品。量販店さんよりデパートでの売上が高そうなドライバーかなと思います。このドライバーの特長は、ヘッドスピード35m/sくらいを想定したゴルファーを対象としている点。ここまでヘッドスピードが下がっちゃうと既存のドライバーでは支障がでてしまうものなんですね。BSさん、いいところに目をつけましたね。

ただ、この手のドライバーは、やっぱりステイタスとセットでしょ?GLOREの半端ない広告費の使い方を見るとそう思います。その点では、BSさんの戦略には疑問です。イメージキャラクターくらいは起用して欲しかったですね。ゴルフ場で「社長!ついに買いましたね!」くらいは言われてみたいじゃないですか!プレミアムなんだから。みんなが認めてこそプレミアムですよ!

PHYZの追求するゴルファー五感を重視したクラブつくりは、注目している発想。だから、PHYZブランドはぜひ成功してほしいプロジェクト。集約した技術が普及クラブまで降りてきて欲しいので、PHYZはおし!なんですよ。頑張れ!PHYZ!


募集しています!
GOLF-MODEでは、読者様のイチオシのドライバー情報をお待ちしています。あなたの愛用のドライバーや新製品の感想などドライバーに関することなら何でもOKです。情報をお寄せいただいた読者様には粗品を進呈させていただきます。みなさまのイチオシドライバーをぜひ教えてください。「お問い合わせ」からご応募ください。

おし!ドラ PING i20&G20

2012年05月14日 category:ゴルファーニュース


GM用具担当が責任編集でお送りします、「おし!ドラ」。ドライバー情報を辛口で(キッパリ!)どんどん攻めますよ!

今回は、PINGの双子ちゃん、i20とG20です。「おし!ドラ」の編集方針は、国内メーカーをおす!だったのですが、第2回で早くも挫折…。でも、やっぱりみなさん注目ですからね。
海外製のドライバーは心理的ハードルが高いので、なかなか手がでないもの。そういう意味で、マスターズのB・ワトソンの優勝は、「PINGのドライバー、もしかしたらいいかも!」と日本のゴルファーに思わせ、さらに価格が手ごろな4万円前後とくれば「試打してみるか!」となるのも無理はありません。タイミングとは本当に恐ろしいものです。

低めの弾道、低スピンが売りのi20は、ヘッドスピードが高めの方におすすめ。いつものロフト角よりも多めにとっても大丈夫ではないでしょうか?ワトソン使用のG20は重量ヘッドと高弾道が売り(ロフト角12度の製品もある!)。こちらは、ロフト角はいつもより少な目からチョイスでしょう。どのタイプのゴルファーにもあうとは思いますが、こすってスライスという方にはあわないかもです。G20はとにかく「やさしい」との評判です。ドライバーに悩み多き方は、絶対チェックです。

ドライバーは、この価格帯が本当にHOT!ドライバーは、性能にお金を払う時代が来たと思います。4万円台のクオリティがここまでなら、国内メーカーのドライバーは高いといわれても仕方がないでしょう。国内メーカーの対抗策も期待です!

おし!ドラ ~ NEW EGG IMPACT~

2012年04月18日 category:ゴルファーニュース



今月からドライバーのご紹介コーナーが始まります。その名も「おし!ドラ」。GM用具担当の責任編集でお送りします。辛口でどんどん攻めますよ!

栄えある第1回はプロギアの「NEW EGG IMPACT」のご紹介です。EGGといえば超個性的なラインナップが売り。3月発売のEGG SEVENは「飛ばない人は飛びません」とまで言い切ってます(いいのかなあ)。でもこの弾け感がいいです。だからEGGは期待が大きいシリーズなんですよね。

「NEW EGG IMPACT」は「短尺」と「高ヘッド重量」が売り。ラグビーやアメフトで100kg超の選手がものすごい速さでタックルすれば相手選手は吹っ飛びますよね?それと同じですよ!みたいなノリ。わかりやすいです。超個性派の兄弟たちよりは若干地味めですが、ガンガン振り回してくださいというコンセプトはやはり肉食系です。

面白かったのが、メーカーがアピールする「打音は固有値解析によるシミュレーションにより、高音域の心地よい響きに設定」の文言。前作の悪評だったあの奇音を意識したのかな?

この「短尺」ドライバー、短く持って3Wと兼用した人も多かったと聞きます。セカンドドライバーとしても使えますし、つかまり易く振りぬきやすいのはなによりの魅力。

ただ、発売のタイミングが悪かったかもという心配も。テーラーメイドのロケットボールズとキャラが被ってませんか?あっちに持っていかれた!となりませんように・・・。


募集しています!
GOLF-MODEでは、読者様のイチオシのドライバー情報をお待ちしています。あなたの愛用のドライバーや新製品の感想などドライバーに関することなら何でもOKです。情報をお寄せいただいた読者様には粗品を進呈させていただきます。みなさまのイチオシドライバーをぜひ教えてください。「お問い合わせ」からご応募ください。

海外アパレル系クラブメーカーの惹きつけ力

2012年04月11日 category:ゴルファーニュース

企業は、自社の拡大を本業の周辺領域から始めるものである。ソフトバンクはIT関係から通信へ、楽天はネット決済に関する事業から拡大させた。職人の国である日本では企業の「周辺領域」は「技術」の周辺である。日本のゴルフクラブメーカーは、「技術の強み」を活かして参入。ダンロップはゴム、ブリヂストンはタイヤ、ダイワ精工(現グローブライド)は釣竿、というように既存の技術の転用である。

一方、海外のスポーツアパレルメーカーにとっては、周辺領域は「競技種目」である。サッカー、バスケットと展開したから次は「ゴルフ」・・・のように。ナイキはインパクト・ゴルフ・テクノロジーズ社(米)、アディダス(独)はテーラーメイド社(米)、プーマ(独)は「cobra」ブランドを買収しての参入である。

参入の背景の違いは「売り方」の違いに表れている。日本のメーカーは高い技術力を前面に出した売り方をしているのに対して、海外アパレル系クラブメーカーは、ゴルファーを「惹きつけること」を重視している。斬新なデザインや配色、画期的な機能で目を向かせているのだ。インパクトで負けたら終わりのアパレル業界を生き抜いてきた生命力がそうさせるのだろう。そのためか、ここ数年、ゴルファーをあっといわせる機能はこれらのメーカーから生まれている。2012年の新製品のラインナップでも、その傾向は変わっていない。日本メーカーに物足りないのは、このような「惹きつける力」なのではないか。やや地味な日本製のラインアップを見てそう感じてしまうのである。

華南から北進。光速で刻む、中国のゴルフ時計

2012年04月11日 category:ゴルファーニュース

drs2biz
外国人男女の背後のディスプレイ。そこに見える無数の緑の群れ。これは、ゴルフコースのレイアウトだ。日本では考えられない圧倒的な規模。全部で10ものコースを抱えるのだから当然の大きさであろう。ここは、中国の海南(ハイナン)島にある「海口ミッションヒルズゴルフクラブ」。香港の奥、広東省深セン市の「ミッションヒルズゴルフクラブ」(ギネスブック認定の世界最大のゴルフ場、216ホール、12コース)の姉妹コースである。中国の経済発展とともに中国のゴルフが今、動き始めている。

中国ゴルフの発展は、「華南地域」を抜きに語ることはできない。故鄧小平氏が進めた「改革・開放政策」。経済特区が深セン、珠海、海南島など華南地方に集中し、外国人の居留者が増えたことでゴルフ需要を生んだ。華南地方は、亜熱帯地方に属し、冬でも最高気温は20度前後を維持。酷暑の夏を除けば、年中プレーしやすい環境にある。そのため深セン市と海南島はゴルフリゾートの開発が顕著だ。とりわけ海南島は、冬場の気候のよさを活かして、外国人ゴルファーを取り込んでいる。現在、日本からのツアーは、3泊4日、2ラウンドのゴルフツアーで10万円程度が相場。たっぷりゴルフに浸れるリゾート地として定着しつつある。現在、着々と進むアジアでの格安航空会社(LCC)の設立は、東アジア圏内の移動コストと時間地図(ディスタンスカルトグラム)を大きく塗りかえることは必死で、これもまた、追い風となるだろう。

中国で最初のゴルフ場が誕生したのは1984年。それからわずか20年。中国ゴルフの進化の時計は、日本のゴルフ場の発展とは比較にならない。中国という、眠れぬ赤い龍が経済的に覚醒した以上、この流れはある意味、必然という事なのだろう。

中国資本で再出発。本間ゴルフ、ゴルファーの進化を信じるDNA 

2012年04月11日 category:ゴルファーニュース


かつて日本のゴルフ市場の主だった「HONMA」。ウッド加工の高い技術力で築いた高いブランド力。だからこそ最後まで「パーシモン」にこだわり、それが新しい時代への適応への遅れを招くという皮肉。その後の迷走を経て、新しい体制で再出発した「HONMA」。しかし、混乱を経ても残った考え方がある。それは、「ゴルファーの進化を信じる」という思想だ。

HONMA Perfect Switch シリーズは、国内製品初のライ角、フェース角、ロフト角の調整機能を標準装備した、先進性の高いドライバーだ。角度を調整してもシャフトの向きが変わらないように工夫した技術力は、たしかに「HONMA」らしいのだが、それ以上に「HONMA」らしさを感じるのは、スペックの基準だ。同シリーズのローエンド向け「460」、アベレージ向け「440」、ハイエンド向け「390」のいずれもスペックが他社の基準より厳しい設定だ。なかでもハイエンド向け「390」の仕様は、「ハード」の一言に尽きる。ロフト角は9°に絞り込み、重量も329gもある。ボールを上げる技術力とパワー、高いヘッドスピードが求められる。オートマチック感は皆無。しかし、その一方で、短い重心距離と高い操作性はハイエンド層には得がたい魅力になっている。厳しいセッティングはゴルファーの進化を見越しての数字なのだ。

経営権が中国資本に移り、買収当初はネガティブな見方も一部ではされたが新たなスポンサーがついたことで「HONMA」の持つ「こだわりの技術力」を生かせる環境が整ったように思う。Perfect Switch シリーズは「HONMA」の反転攻勢のクラブとしての実力は十分である。

『レッドベターの100パーセント・ゴルフ 』(新潮社)

2012年04月11日 category:ゴルファーニュース

ゴルフに限らず、何事も基礎が大切。だからゴルフ書籍は基礎の重要性を説くものを選びたい。世界的ティーチングプロ、デビッド・レッドベターの理論書『レッドベターの100パーセント・ゴルフ 』(新潮社)は、その最たるものであろう。グリップの重要性やスイングの型を作り上げることの必要性など基礎を力説する同書は、「ゴルフのスイングは、身体の動きと腕の動きを調和させることが重要」という考え方によって組み立てられている。この理論を同氏は、自ら写真で実演しているが、この写真が本当に美しい。長くじっくり向き合える理論書である。

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