鍛えるゴルフBRAIN!~考えを変えて100を切る戦略(5)~
2015年09月14日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
考えを変えて100を切るという戦略について話をするシリーズ。今回は5回目である。
前回からは当日の情報収集についてお話している(前回の内容はこちら)。
ラウンド当日の情報戦略の2回目は、1番ホールでの情報収集の重要性である。
1番ホールは、その日にしかわからない情報の宝庫である。
1番ホールで、得られる情報は、今後のラウンドに有効活用できるものばかりだ。ぜひ、大切にしてほしい。
まず、収集する価値でなんと言っても大きいのは、ラフとグリーンの状態である。
Urbanowicz_Krzysztof_GOLF / Krzysztof Urbanowicz
ラフとグリーンの状態は、見ただけではわからない。当日の天気、前日以前の天気にも大きく左右される。
たとえ第1打をフェアウエイをキープできたとしても、ラフの状態はチェックしておくべきである。
同伴者がラフに入れていたら、ラフの具合を聞いておくべきである。その日のラウンドが、ラフに入れてもいいから距離を狙うべきか、距離を犠牲にしても安全にフェアウエイを守るべきかの判断の方向性は、1番ホールにて決まるといってもいい。
その日に、ドライバーを使うか否かを決めるほどの重要な判断材料になることさえあるだろう。
さらに、グリーンの状態もしかりである。単にグリーンが速いか遅いかの違いだけでなく、自分の距離感と合うかどうかの判断も重要だ。
返しのパットを恐れずに、強めに打ち情報を得ておくべきだ。
次に、同伴者のコンディションだ。気の置けない仲間とのゴルフであっても、あなたは、同伴者の影響を受けている。
同伴者が好調ならば、そのリズムに乗ることだ。いい感じでプレーしているときは、いいリズムでスイングし、適切なペースでラウンドしていることが多い。
自分より上手な同伴者なら、じっとプレーを観察しよう。同伴者のいいスイングが残像として残り、イメージづくりに役立つ。
また、意外に影響を受けるという点では、前組のプレー速度だ。スロープレーで待たされるタイプに当たったら、すぐに戦略を変えてほしい。
「待たされてイライラする」ではなく、「待っている間、スイングチェックをする」「このホールの攻め方を改めて考える」「自分の今日のスイングの修正点を考える」 という前向きに考えるべきだ。
ゴルフ場の関係者に、注意をお願いするだけで解決しないこともある。相手のあることは、時としてどうしようもないこともある。
ならば、相手によって考えや行動を変えられることに不満を抱えてもメリットは無い。 状況によって切り替えられることがゴルフの幅を広げることが出来るはずと前向きに考えよう。
鍛えるゴルフBRAIN!~考えを変えて100を切る戦略(4)~
2015年07月21日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
考えを変えて100を切るという戦略について話をするシリーズ。今回は4回目である。
前回は、OBを避ける重要性についてお話した(前回の内容はこちら)。
ゴルフのラウンドは、一度として同じ状況が存在しないものである。たとえ、同じゴルフ場でのラウンドであっても、季節の違い、天気の違い、体調の違い、同伴者の違いなど、必ず毎回何かが異なった状況でプレーをすることになる。
ならば、ラウンド当日の情報収集は、大変意味のあることである。ラウンド当日の情報戦略についてお話しようと思う。今回はその1回目である。
UFV golf pro-am 2013 60 / University of the Fraser Valley
まず、当日の情報を得ることの重要性についてお話したい。 体調の良し悪し、天気の良し悪しは、家や宿泊先を出るまでにあらかじめ理解することができる。
ならば、その情報をもとに今日はどのようなラウンドになるだろうかの見通して立てることは、大変重要なことである。
今日は、攻めの姿勢でゴルフができるのか、守りのゴルフになるかは、体調や天気で大きく違う。まずは、おおきなくくりで今日は、どんなゴルフをすべきかを考えておこう。
全体の方向性なくして、細部の戦略はありえない。家を出るまでに今日のゴルフのイメージを固めておこう。
次に、練習場でのチェック事項である。今日の体調や天気にあわせて、重要だと思うショットを中心に練習を行おう。練習の手順がルーティン化しているゴルファーは、それはそれでかまわない。重要なことは、自分のイメージとして今日のゴルフで核となるショットは何になるかを強く意識すること。
そのときに、イメージどおりのスイングができているか。それをしっかりとチェックしてほしい。ショットのずれやぶれが生じている場合、それをどのように考えるか。クラブ選択やコースマネジメントも当然に変わってくるだろう。
朝、出かける前にイメージしていたゴルフをこの練習場で、さらに確度を高めた上で、コースに出てほしい。
そのとき、思い切って今日のラウンドの予想スコアを出してほしい。なじみのコースならば、各ホールごとの予測スコアを出してもいい。それは、目標スコアではない。
今日のコンディションならば、自分はどの程度のスコアを出せるかを客観的に測ることに意味があるのだ。
自分のことを客観的な数字の予測ができることは、スコアメイクに大いに役に立つ。 ぜひここまでやって、1番ホールのティグラウンドに立ってほしいと思う。
鍛えるゴルフBRAIN!~考えを変えて100を切る戦略(3)~
2015年05月20日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
考えを変えて100を切るという戦略について話をするシリーズ。今回は3回目である。
前回は、コースマネジメントについてお話をした。パー4のホールで3オンを狙うコースマネジメントの重要性を主張した(前回の内容はこちら)。
つまり、「OBを避ける」ためにどんな手を打っているか?である。
Maui Golf / tomboypaperclip
100切りを目指すあなたが、OBを避けるために打っている手は何か?すぐに答えられるだろうか?そして、それがどれだけの実効性があり、どの程度効果を上げているか?そして、どんな改善の歴史をもっているか?それらが自分の中で、ノウハウとしてどの程度蓄積されているだろうか。
まずは、自分に問いかけてほしい。
OBは、スコアマネジメントにおいて、もっとも避けるべきものである。1Yも前に進んでいないのに、1打カウントされる。これほど不条理なものはない。
極論すれば、チョロでも前に進んだのであるならば、それはそれでいいではないかとも言えるのだ。OBを避けるということが、いかに100切りに近づくかまとめてみたい。
(1)OB回避は、もっともスコアが縮まる もし、あなたが1ラウンドで3回のOBを避けることが出来た場合、スコアは6縮めることができる。
ゴルフにおいて、ここまで「劇的に」数字が短縮することは、他にない。まずは、純粋に数字の短縮効果を理解すべきだ。
さらにOB回避の効果は、数字だけの問題に留まらない。
OBは、1打でも少なく・・・とラウンドしているゴルファーにとって、精神的なダメージなるということだ。
支出を減らしたいと思って、毎日節約して生活しているのに借金してしまい、高い金利を払わせられるようなものだ。1打減らすための努力がむなしく感じられてしまう影響は大きい。
ゴルフのラウンドという会社経営において、OBを避けることは、無借金経営をするようなもの。堅実経営の肝であるのだ。
(2)OBを誘発するクラブはリスク
前にも触れたが、OBを誘発するクラブはできるだけ避けるべきだ。その代表例はドライバーである。長く、よく飛ぶクラブは、それだけ失敗したときのダメージが大きい。
OB回避を前提にするならば、出来る限り封印すべきである。
(3)他のミスはとりあえずスルーする
逆説的ではあるが、OBをするという以外のミスは、目をつぶってもいいだろう。
理由は、OBよりもスコアを浪費しないからだ。また、バンカーでボールを出せなくなっても、ラフに入れて出すだけになっても、パットをオーバーしても、そのミスが続くことは案外少ない。
しかし、ティーアップしてのショットは何度も同じ場面がある。ここでのミスで起こるOBは、再現性が高い。OBは、確率の面でも大きいミスである。その点も考慮すべきである。
鍛えるゴルフBRAIN!~考えを変えて100を切る戦略(1)~
2015年01月21日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
今回は、考えを変えて100を切るという戦略について話をしよう。
もし、あなたが100をきるスコアを目標とするゴルファーであるとしよう。
100を切ることは、ゴルファーにとってなかなか突破できない大きな壁のひとつである。 この100の壁は、大きい壁であるがゆえに、突破するのに時間がかかる壁でもある。
しかも、この壁は、できるだけ早く突破しておかないと厄介な問題をも抱えてしまう。それは、ゴルフをすることへの疑問や、やる気の低下を引き起こす可能性があることである。そして、その気持ちの問題が、さらに壁を高くしてしまうのである。
一所懸命がんばっても目立った成果をあげられないとやる気が削がれるのは、別にゴルフに限った話ではない。
メンタルな面も含め、100の壁は、できるだけ早く突破すべきものである。
スイングの型がある程度出来ているゴルファーで、100の壁に当たっているゴルファーは、まずは100を切ることを実感してもらうことが重要である。
そのため、スコアを縮めることを重視したラウンドをすることも選択肢のひとつであるといえる。
その有力な方法として、難しいクラブは使わないという戦略がある。
具体的には
・ドライバー
・フェアウエイウッド
・ロングアイアン
を使わないのである。
その代わり、距離をあきらめてでも簡単なクラブを使うのである。
具体的には、ユーティリティを多用するのである。
表を見る限り、ユーティリティの飛距離はドライバーを除けばウッド系とロング~ミドルアイアンと重なっている。
3W、5Wや5Iは、ユーティリティに統合することが可能である。
扱いやすさのメリットだけでなく弾道が低く、風の影響を受けにくいというメリットも含め、ユーティリティを多用する意味は大きい。
ドライバーは、飛距離については、これに代わるクラブはない。それでもできるだけドライバーを使わないようにしたい。
ドライバーは、飛距離を出せるクラブであるが、もっともOBを出す可能性の高いクラブだからである。
多少、飛距離に目をつぶってもOBを減らし、できるだけフェアウエイをキープする方が、100切りには確実に近づくはずだ。
次回は、コースマネジメントによる100切りを目指す方法を考えてみたい。
鍛えるゴルフBRAIN!「予測する力」②
2014年12月15日 category:鍛えるゴルフBRAIN!今回も前回に引き続いて「予測する力」についての話をしよう。(前回の内容 はこちら)
前回は予測の立て方と予測する力の効用についてお話した。今回は、その効用の中でとくに、効果が高い「自分の能力に対する客観性」について、お話したい。
Highland Woods Golf Course, Hoffman Estates, Illinois / danperry.com
ゴルフにとって、安定的な精神状態でプレーすることが最もスコアメイクに寄与することは、あらゆるゴルファーが経験的に学ぶことである。
いかに安定した気持ちで18ホールプレーできるか。それができれば、スコアは5くらいは、縮まるのではないか。
そんな思いのゴルファーも多いだろう。その「思い」を阻む壁は、高くなりがちな自己イメージである。
ゴルファーとしての自己イメージが高くなると次のようは弊害がでる。
それは、「ミスショットへのストレスが高まる」ことだろう。
原因は、
・高い自己イメージにより、ミスを受け入れることが難しくなり、ストレスを抱えやすくなる。
・そもそも高い自己イメージにより、無理なショットを選択しがちになる
である。
ここで力を発揮するのが、「自分の能力に対する客観性」である。
予測することから得られる自分の能力に対する客観性は、予測と結果の積み重ねによって形づくられる。
難しいショットでも自分は打てると予測してもそうではなかったり、ミスショットはしないだろうという状況でミスしてしまったり・・・。
「自分の能力に対する客観性」は、それを防いでくれる。そして、その能力は、予測することによって身につく能力である。
「予測する力」は予測と結果そして、その検証の繰り返しである。
言い換えると、予測とその結果を検証することは、自分自身による自分自身のデータの集積である。
であるから、この予測する練習を繰り返せば、ミスショットの出る状況や割合なども予測することができるようになる。
さらに人には、修正する能力が備わっているので、ミスショットへの対処法や、回避法も身につけられる。
この地道なプロセスによって身につけられる能力とは、つまり自分のゴルフのイメージを確実につかむ能力である。過大評価も過小評価も、正確な自分の能力の把握には役に立たない。
予測する力によって手にしたゴルファーとしての等身大の自分の姿を正確に把握することで、自分が次にやるべきことが見えてくる。そこが更なる向上の原資となる。
予測する力は、あらゆることに応用が効く大切な能力なのである。
鍛えるゴルフBRAIN!「予測する力」①
2014年11月12日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
今回から2回に分けて「予測する力」についての話をしよう。
ゴルフの上級者の能力の高さは、決してスイングの上手さだけではない。ゴルフに携わる考え方も上級である場合が多い。
そんな上級の考え方のひつとが、「予測する力」である。
あなたは、普段この「予測する力」をラウンドで使っているだろうか?もし、あなたが10球に4~5球の割合で、ドライバーをフェアウエイに乗せて、200Y飛ばせるとする。
Bali Hai Golf Club, Las Vegas, Nevada / danperry.com
あなたは、今から打つドライバーショットがどのような結果をもたらすか予測できるだろうか?
もちろん、これにはその日の体調や天候、そしてゴルフ場の特性も要素として絡んでくる。さらにそのホール上のベストな戦略というものもある。それを考慮しての「予測」である。
もし、あなたが今より一段階上のゴルファーになりたいのならば、この「予測する力」を鍛えるべきである。
やり方は、決して難しくない。
まず、打つ前に「よい結果の予測」と「悪いの結果の予測」を想定しておくのである。
つまり、予測される結果について、一定のゾーンを設けるのである。いわゆる「想定内」の想定を立てるのである。
コツは、「よい結果の予測」は、厳しく予測し、「悪い結果の予測」は、甘く予測しておくことである。
例えば、「よい結果の予測」は、ざっくりとフェアウエイキープ程度に留める。その一方で、「悪い結果の予測」は、OBになり、打ち直しとなったときの対応を考えておく位まで、想定しておくのである。
人によっては、悪い結果を考えておくなんて縁起でもないと考える方もおられるかもしれないが、ゴルフは予測に関しては、悪いほうに下振れする。このことは、プロのトーナメントを見ても明らかである。
たった1回のミスで、優勝という名誉と莫大な賞金をフイにしたプロ選手は数限りない。ゴルフは、シビアに自分を見つめるくらいでちょうどいいのである。
そうすることで、自分への甘い見通しを絶ちつつ、不慮の事態への対応力がつく。そして、この予測する力がついてくると、自分の能力への客観性が備わってくる。このメリットが大きい。
この能力が備わることによるメリットについては、次回お話したい。
鍛えるゴルフBRAIN!「コミットメントの応用」
2014年05月19日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
「コミットメントの応用」 今回は経済学の用語、「コミットメント」をゴルフのスコアアップにつなげる話をしよう。コミットメントとは、「公約、決意表明」などの意味で用いられる。売り上げなどの数値目標を掲げ、目標達成を最大のミッションとする行動だ。
このやり方の最大のポイントは目標を表に出すという点にある。周囲に目標を明確に示すことで、目標が、時には自分へプレッシャーになり、時には励みとなることで、自分の意志がより強固となる。「決意表明をした以上、責任を果たしたい」という人間の心理を使ったものである。 これを、ゴルフのスコアアップにつなげてみよう。コツは2つある。
Modry Las in Westpommern (Polen) / dennisborn
ひとつは、仲間と目標を共有することだ。自分の目標を表明するだけでなく、仲間にも協力してもらって目標を出してもらう。みんなで、それぞれの目標を共有し合うのである。そして、仲間のだれかが、目標を達成したら、祝福するのだ。昼食をごちそうする、ボール1ダースをプレゼントするなどのちょっとした工夫があると励みにもなる。人間は、自分の努力を認めてもらうことはうれしいものだ。
もうひとつは、目標を達成するためのプロセスを話すことである。たとえば、アベレージ90くらいのゴルファーが85を切ることを目標にする場合、自分がどのような方法で、その目標を達成しようとしているかを説明するのである。 このことによって目標達成に現実感が出るだけでなく、自分の取り組むべき課題も明確になる。さらに、見逃せないのは、周囲の協力である。たとえば、ドライバーの飛距離アップを目標達成のつなげたいと周囲に話しておけば、ドライバーの情報を寄せてくれたり、プロのアドバイスを紹介してくれたりするものである。
目標というのは、みんなで達成することの方が、達成感が強いものだ。仲間と励ましあい、高め合いながらスコアアップにチャレンジしてほしいのである。
(fin)
鍛えるゴルフBRAIN!「ショートウッドの多用のメリット」
2014年04月17日 category:鍛えるゴルフBRAIN!鍛えるゴルフBRAIN!「攻める楽しさ」「守るうれしさ」
2014年01月17日 category:鍛えるゴルフBRAIN!今回は、ラウンドでのメリハリについての話をしよう。
Taeksoo Kim Misses Putt to Win on 17 / pacificcoastamateur
ゴルファーにとって1打でも少ないスコアで上がりたいというのは、悲願である。正しいショットを刻み、ミスを減らす。18ホールを通じて形づくられるスコアは、ゴルファーの創造物でもある。
良いスコアは、アマチュアゴルファーにとって「重大なミスをしないこと」と引き換えに手にできることが多いものである。そのためか、スコアは「守る」という意識が生まれがちである。守りの意識は、無難で安全な選択へと導く。スコアメイクの根本は我慢することでもあるのは、やむを得ない現実でもある。
確かに良いスコアを手にできればうれしいものである。しかし、その一方で、スコアメイク重視のゴルフが楽しいかどうかは微妙な問題である。もし、あなたが楽しくラウンドできていないこと感じることがあるとしたら、ぜひ考え方を微調整してほしい。
挑戦もゴルフの醍醐味であることを思い出してほしいのである。
安全策をとり、「刻むこと」を中心にローリスクのゴルフがスコアメイクへの近道であることは正しいが、それだけでは味気がなくなる。時には、ハイリスク・ハイリターンの選択も必要なのである。その際は、「ここはリスクを負ってみよう」と決めてチャレンジしてみよう。仮に失敗しても、そこでリカバリーを学ぶことができると前を向くことができればダメージは小さくできるだろう。
鍛えるゴルフBRAIN!「心理と身体」
2013年06月13日 category:鍛えるゴルフBRAIN!今回は、人間の心理と身体の動きの話をしよう。
プロ野球の投手にとって、コントロールは生命線である。バッターから遠い位置になる外角へのコントロールは、特に重要である。一軍に定着できない投手は、このコントロールが不安定だ。2ボール、2ストライクといった勝負どころで、ストライクゾーンから大きく外側へボールをそらす投手の姿をプロ野球中継でよくみかける。当人は、外角の際どいところへ投げているつもりなのだろうが、意に反して明らかなボール球になっている。
なぜ、このような結果を招くのか?このメカニズムを理解できると、ゴルフにも応用することができる。今回は、そんな話である。
あなたは、スライスラインのパッティングショットのときに、カップのどの位置を狙っているだろうか。
「スライスラインは右にボールが曲がるので、カップの左を狙う」
そんなゴルファーが多くないだろうか?理屈としては、全くもって正しいロジックであり、もしそれで十分な結果が得られているのならば、それはそれで問題はない。今回は、それでうまくいっていないゴルファーへ向けて話をしたい。
カップの左を狙ったにも関わらず、うまくいっていないゴルファー。多くは左に外していないだろうか。
長い距離であれば、ラインの読み違えという可能性もあるが、2m前後の距離のパットならば原因は違うところにあると考えるべきだろう。この原因が先程述べたプロ野球の投手の外に大きくボールをはずす原因と重なるのだ。
人間というものは、心理状態の変化によって身体の動きが変化するものである。「外角のストライクゾーンに投げたい」「スライスラインではカップの左側に狙いたい」という欲求が、身体の動きに変化をもたらす。人によっては、それがより強い結果として反応してしまうことがあるのだ。そのことが「望まない」結果を招くことを理解しておくべきなのだ。
ここで考えをまとめておきたい。
心理状態によって、自分はどのような身体の変化をするのかを正しく理解しておくべきである。そうすれば、対処法が見えてくるのではないだろうか。
スライスラインでカップの左側に外すゴルファー。カップの右側を狙ってみてはどうだろうか。「右に外したくない」という心理状態による身体の反応が、ボールの軌道を左側に寄せるだろう。おそらくよい結果を導くはずである。
鍛えるゴルフBRAIN!「結果をコントロールすること」
2013年11月14日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
030 – CGU Cornish Closed / Neville Wootton Photography
結果をコントロールすること。
今回は結果との向き合い方についての話をしよう。
多くのゴルファーにとって、いやすべてのゴルファーにとってラウンドでいいスコアを出したいという欲求は、共通のものである。その欲求は、情報を集め、道具を追求し、そして練習もするという能動的な行動へと導く。
このようなプロセスを経ると、スコアの結果は、その行動を反映するものであると考えるようになる。
実際、トップレベルのプロゴルファーは、自在にボールを操り、トーナメントで結果を残し富と名声を得ている。
であるならば、「結果はコントロールできるものではないのか?」そんな考えが浮かぶことは決して無理な考え方ではない。
しかし、そんな疑問を多くのトッププレーヤーは否定している。タイガー・ウッズしかり、ジャック・ニクラウスしかりである。
それはなぜなのか。たとえば、PAR4のホールをドライバー、アイアン、ウエッジ、パターを使うとする。4つのショット、パットのうち1つでもミスが発生すれば、このホールをパーであがることは困難になる。もし、あなたがパーであがることを理想とするならば、目指す結果は、すべてがうまくいったという条件下で達成されることになる。
言い換えれば、条件が揃わないと満足な結果を得ることはできない。つまり、理想の結果を得るということは多くの要素から成り立っているのだ。ひとつでも条件が欠けると達成できない以上、一定の結果を得ることを前提にしたり、ましてやコントロールできると考えるのは非現実的な考え方なのだ。
ここで、考えをまとめておきたい。
結果をコントロールすることはできない。もし、それが理解できれば思考のアプローチを変化させることができるだろう。先の例の場合は、4つのショット、パットを分割し、ひとつひとつに細かな目標を立てることだ。たとえ1つミスショットが出たとしても、3つのショットにミスがでていないと前向きに考えることができるだろう。
ジャック・ニクラウスは、たとえ予選すれすれのスコアとなってしまった大会であったとしても、全力でプレーする選手だった。なぜそんなことができたのか。それは、結果をコントロールできないという前提で行動し、たとえ優勝のできない大会であっても自らに目標を課していたのだろう。トッププロとはそういうところにエネルギーを使うものなのである。
鍛えるゴルフBRAIN!カート時代の戦略
2013年08月09日 category:鍛えるゴルフBRAIN!鍛えるゴルフBRAIN!
カート時代の戦略
Golf Tournament Tee Off / Dru Bloomfield – At Home in Scottsdale
今回は、カート時代のゴルフについての話をしよう。
乗用カートによるゴルフが普及し、歩きゴルフが珍しい部類になった。若いゴルファーならば、ゴルフを始めた頃から乗用カートがあたりまえだったという方も多いだろう。歩きゴルフを体験したことがないというゴルファーは、ぜひ歩きゴルフを選択できるゴルフ場を探して体験してほしい。それは、今回お話するテーマと関係が深いからだ。
乗用カートによるゴルフと歩きゴルフの違い。そのひとつが、1打、1打のインターバルだ。
プロのトーナメントでよく見かける光景だが、多くのプロゴルファーは前のショットについての検証をしている。特にミスショットの場合はその割合が高い。そして、それは次のショットまでの間、考え、そして歩きながら気持ちを切り替えている。誰とも会話をせず、集中を保つ選手もいれば、キャディーや他のプレーヤーと言葉を交わす選手もいる。やり方はそれぞれである。
歩きゴルフのメリットのひとつは、この1打ごとの間隔にある。次のショットまでの時間を上手く使い、戦略を練り直し、時には気持ちを整える。時間は、時に有効な戦力なのである。
Golf Carts Only!!! / jaybergesen
しかし、乗用カートによるゴルフは、それが限定される。1打、1打の間隔は狭く、次々にショットを打つ必要性に迫られる。スロープレーに対する目が厳しくなった昨今の風潮がそれに拍車をかける。ミスショットに対する検証もそこそこに、短いインターバルで次のショットの手を考える。そんな乗用カートゴルフでは、歩きゴルフとの戦略は異なるはずだ。
ここで、考えをまとめておきたい。
乗用カートでのゴルフでは、まず優先されるべきは、次のショットのしやすさであるというとこだ。次のショットが、想定の範囲内に収まるようなショットをすること。自分の力量を過信せず、最悪を避けるような想定でショットを心がけるということだ。著しいミスショットをしてしまうと、次のショットへの対策もミスショットをしてしまったという心理的なダメージ回復もできないまま、あなたは、カートでボールまで運ばれてしまうのだ。
乗用カートでのゴルフは、まずは安全第一。上達のポイントは、最悪のケースを避けるマネジメントにあるといってもいいだろう。
鍛えるゴルフBRAIN!
2013年04月25日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
Cousin Joel in the pot bunker #golf #canoecreek / sharpener
今回は「平常心」の話をしよう。
最悪のスコアを出したときはどんな時か。体調不良や練習不足などよりも多く出る意見が、「嫌な人とラウンドしたとき」や「上手な人(下手な人)と回った時」である。心理状態をかき回され、ペースを乱されてしまった・・・。そんなゴルファーの心理状態が伺える。ゴルフはメンタル面が大きく影響を与えるスポーツであることがよく理解できる話である。
だから「平常心」を渇望するゴルファーは多い。
「練習場では上手く打てるのに、ラウンドではなかなかそれが出来ない」は、多くのゴルファーに共通する慢性的な悩みともいえる。もちろん、練習場とゴルフ場は違うことは、百も承知。ティーグラウンドに立ったときの独特の緊張感の中で、練習場と同じ平常心でドライバーを打てる方法はないものだろうか?そんなことを考えてしまうのはゴルファーとして自然なことある。
ここで考えをまとめておきたい。平常心は永遠に訪れない。それがゴルフである。
ゴルフは、メンタル面を揺さぶられるもので溢れている。スイングやパッティングのミスへの恐怖、バンカー、池やラフなどのハザード。ゴルフは、「揺さぶられる心」と向き合うスポーツであるのだ。この根本に目を向けておく必要がある。
この根本をしっかり理解できれば、ゴルフへの見方を変えることができるだろう。ゴルフは、揺さぶられる心理状態の中で、いかにベストに近いプレーすることができるかが問われるスポーツなのである。
見方を変えられれば、ゴルフの楽しみ方も変えることができる。
「緊張感」・・・。ミスやハザードへの恐怖からくる独特の心理状態は、ゴルフをしているからこそ沸き立つ感覚である。その緊張感を楽しまない理由はないだろう。
時間とお金をかけてでも味わうに値するもの。それは、自分の成長の実感である。高い緊張感の中に自らを晒し、その中で心の成長の芽を育てる。揺さぶれられる心と向き合うことは、その機会の少なさゆえに、とても有意義なことなのである。だからその経験から得たことは、人間を大きくすることにつながっていくのである。
「揺さぶられる心」を楽しむ。それは、大人になって人間の舌が苦味を味わうことができるようになることに似ている。揺さぶられることによって感じるネガティブの感情。それをも含めて「揺さぶられる心」を楽しんでほしい。それに慣れるとマイナスの要因のない「平常心」は、ちょっと物足りないと感じるはずである。
鍛えるゴルフBRAIN!距離への意識
2012年09月24日 category:鍛えるゴルフBRAIN!今回は、距離への意識の話をしよう。
今、ゴルフでは距離を測る計測器が普及している。愛用している人も多いだろう。セルフラウンドが多い方なら必需品かもしれない。計測器は正確な距離が分かり大変便利だ。しかし、距離を測り、クラブの番手選びの参考にする使い方で留まっていては十分に使いこなせているとはいえないだろう。なぜならば、機械に頼れば人間が進化しないからである。少なくとも、まずは次のように使うべきである。
まずは自分で距離を判断して、計測器でそのズレを修正する使い方である。
距離の感覚は、最終的には自分で掴まなければならない。それは、理想主義的な考え方で言っているのではない。
ゴルフに限らず、人間が把握する数字は、その数字の意味を体感できなければ役に立たないからである。
打ち上げの100Yと打ち下ろしの100Yでは、全く意味が違うのは言うまでもない。その異なる100Yに対してどのように対処するか。そのスキルを獲得して、はじめて100Yの数字は意味を持つのである。つまり目測している時点からスキルの獲得は始まっているのである。そこでの成功、失敗の情報を受け取った脳は、正しい方法としての記憶と失敗の修正という作業を行う。それが向上へと導くのである。
ここで考えをまとめておきたい。
距離は自分で目測すべきである。
短い距離ならば歩測することが望ましい。距離の感覚を体を使って獲得し、その体の感覚をもとにクラブの番手を選び、正しいと判断したスイングをする。成功と失敗を正しく検討し、次に活かす。経験に意味があるのは、このサイクルが正しく機能するからである。そして、そのスタートは目測から始まるのである。計測器は、あなたの成長を見守る陰の存在であるべきであろう。
日本人が愛したホットドック
2012年09月24日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
Hotdog at Kyoto station / Ari Helminen
オーブンレンジのスイッチを入れた。パンを手にとってふたつに割り、バターをひいた。ソーセージに包丁で刻みをいれる。それからキャベツを切りはじめた。・・・フライパンにバターを溶かし、ソーセージを軽く炒めた。
次に千切りにしたキャベツを放り込んだ。塩と黒コショウ、それにカレー粉をふりかける。キャベツをパンにはさみ、ソーセージを乗せた。オーブンレンジに入れて待った。・・・ころあいをみてパンをとりだし、皿に乗せた。ケチャップとマスタードをスプーンで流し、カウンターに置いた。
惜しまれながら早世した作家、藤原伊織。江戸川乱歩賞と直木賞を同時受賞した藤原の代表作『テロリストのパラソル』の冒頭、主人公であるアル中のバーテンダー島村がやくざの浅井にホットドックを出す一節である。
ホットドックに「炒めたキャベツ」と「カレー粉」を使う。
これを懐かしいと感じるか新鮮と感じるか、あるいは当然のことと感じるかは読者のバックグラウンドにかかっているだろう。
炒めたキャベツとカレー粉を使ってつくるホットドックは、かつての日本の食文化では当たり前のことだったのだ。
「今、どの店でもソーセージにパンを挟んでいるだけ。だからホットドックは自分でつくる」という女性がいた。
50歳代の彼女は、母親が作ってくれたホットドックが一番であり、それには魚肉ソーセージと炒めないキャベツを使うのだという。
彼女にとってホットドックは、まさに家庭の味だったのだ。関西に縁がある方ならば、魚肉ソーセージをつかうホットドックといえば琵琶湖畔に車で店を出す「風月堂」を思いだすことだろう。昔の味を守り続けるうちに、東京のテレビ局が個性的な店として紹介する時代になってしまった。
「うん、うまい」
藤原が書いた「レシピ」に従って、でホットドックを作ってみた。あえて魚肉ソーセージを使って・・・。少し焦げた魚肉ソーセージの食感が心地いい。カレーの風味は食欲を掻き立て、やわらかくなったキャベツは甘みをともなって口の中に広がる。脂身の少ない魚肉は、パンとキャベツと味の歩調を合わせている。やさしい味わいは、刺激を嫌う。トマトの酸味はアクセントでいい。ケチャップは少なめがいいだろう。
確かに、刻んだ玉ねぎとボイルしたソーセージに粒入りマスタードをかけた本家のホットドックはうまいと思う。その一方で、かつての日本人が愛したホットドックも決して捨てたものではない。先の女性の子どもたちは、彼女の作るホットドックが大好きだという。こうした味をなんとか残すてだてはないものか。思いのほかコーヒーとあうこのホットドックを食べながらそう思うのである。
鍛えるゴルフBRAIN!思考も対策も夏仕様
2012年07月09日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
Cinnamon Hill Golf Course / MoreThanGolf
今月は、夏のゴルフの話をしよう。
ゴルフが100%アウトドアスポーツである以上、季節の変化に応じた対応力は必要不可欠である。夏に立ちはだかるスコアメイクの大きな壁。今回は3点に絞って考えてみよう。
(1)ラフ
たとえ手入れが行き届いているゴルフ場であったとしても、夏のラフは厳しい。もし野芝の部分にボールが落ちれば事実上の1ペナルティである。であるならばショットの方向性重視は絶対条件になる。特に第1打の落とし所は、細心の注意が必要だ。ミドル、ロングホールでは距離よりもフェアウエイキープである。
(2)グリーン
照りつける太陽で蒸発する水分。夏のグリーンは硬い。プロの大会ほどではないにしても高速グリーンは避けられないとみてよい。だからアプローチは、フェアウエイから高く、スピンのかかった球をしっかり打ちたい。その点でもショットの方向性重視は必要不可欠だ。また、ボールはグリーンセンターを狙って「2パット以内に」が目標だ。
(3)スタミナ
夏のラウンドの最大の問題点は、スタミナである。体力の消耗を最小限に抑え、途切れない集中力を確保しなければならない。昼休憩の栄養補給も重要なポイントになる。その際に牛乳をプラスすることを薦めたい。汗は血液中の水分を基につくられており、発汗による身体のダメージは造血能力の高い食品でカバーしたい。牛乳は造血作用が高く、栄養価も高いのでぜひ摂取しておきたい。
夏のゴルフで気をつけなければいけないことはまだあり、御住まいの地域やあなたの年齢や体力、コンディションによっても対策が必要なことがあるだろう。
ここで考えをまとめておきたい。夏用のゴルフに切り替える。このことは、ゴルフの思考力の強化の絶好の材料であるということだ。考える力によってゴルフは絶対にうまくなる。
あなた流の夏仕様のゴルフができるようになれば、周囲から一目置かれる存在になれるはずである。
鍛えるゴルフBRAIN!「レスキューショットをマスターせよ」
2012年06月11日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
1st tee over car park / .waldec
今回は、ドライバーのトラブルについての話をしよう。
ドライバーショットのミスは、もっともスコアに影響し、もっとも心理的ダメージを与えるトラブルである。「次は、失敗を取りかえそう」というあせりもあり、ミスの再生産を起こしやすい厄介な問題である。2~3連続でミスを犯しながら、次も漫然とドライバーを打っているゴルファーは論外だが、ここでトラブルを回避する手段を持っているかどうかは、スコアメイクに直結する。
ここで提案をしておきたい。
スコアを安定させるためには、レスキューショットをマスターすべきであると。
考え方は、2つある。
ひとつは、スイングの強度を落とす、いわゆるパンチショットをマスターすることである。多くのアマチュアゴルファーは、このパンチショットを重視していない。また、練習も不足しているため、手打ちになるなどスイングが崩れていることが多い。ドライバーを持って軽く振るということは思いのほか難しい。まずは、練習のルーティーンに組み込んでほしい。
もう一つの考え方は、ドライバーを捨てるということである。ロングホールでは難しいが、ミドルでは十分選択できる考え方だ。FWやUTを使ってライン出しを重視したスイングを心がける。スイングの強度を落とす必要は無いが、自分のスイングの荒れ方には、注意が必要だ。迷ったら方向性の安定を重視してUTを使うべきだ。
プロであっても、4日間すべてのドライバーショットを完璧に打てるわけではない。スコアの安定のために「置きにいく」技術を身につけている。それが、ゴルフで飯を食うということでもある。トラブルを回避するレスキューショットを自分の技術として備えておくことは、結果としてドライバーショットの安定に繋がるはずである。
鍛えるゴルフBRAIN! IDクラブを吟味せよ!
2012年05月14日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
今月はクラブセッティングの話である。あなたは14本のクラブをどのように選んでいるだろうか。マストチョイスの1W、6-9I、PW、AW、SW、PTの9本を除いた5本にあなたのゴルファーとしての個性が潜んでいる。
FW、UT、ロングIのバランスこそがあなたのゴルファーとしてのidentification(身分証明)であり、その中でも、もっとも個性を雄弁に語るクラブが「あなたがあなたであるクラブ」といえるだろう。
そのクラブをIDクラブと呼ぶことにしょう。あなたのIDクラブは何だろうか?IDクラブは1本とは限らない。数本の組み合わせかもしれないし、別々に数本かもしれない。今月はこのIDクラブをぜひ考えて頂きたいのである。次にIDクラブの代表例をいくつかご紹介する。それはあなたの戦略と合っているだろうか?代表例を反射板として、あなたの戦略の深化を促したいのである。
3W・・・飛距離重視のアスリートタイプ。バーディを積極的に狙う攻めの戦略。
5W・・・ウッド系をうまく操るタイプ。安定性の高い第二打こそが生命線とする戦略。
7W・・・中距離重視のスキルタイプ。飛距離不足を技術で補う巧みな戦略。
4~5I・・・ロングIを打ちこなす職人タイプ。実践の結果を重視し、経験から積み上げる戦略。
UT2~3本・・・ウッド系を避け、距離を打ち揃えるタイプ。全体的なバランスを重視する戦略。
AW2本・・・ショートゲーム重視タイプ。アプローチからパターを主戦場とする戦略。
ここで考えをまとめておきたい。
あなたのIDクラブこそが、あなたのゴルファーとしての戦略の根幹である。であるから、それが徹底した吟味によって選ばれているかどうか?それは大変大きな意味を持つ。それをあいまいにしてのスコアアップはありえない。年齢、身体的特長、スイングの長所欠点・・・。あらゆる状況をすべて考慮して、IDクラブが選ばれることを強く願いたいのである。
鍛えるゴルフBRAIN!「歩く」意識をもつ
2012年04月18日 category:鍛えるゴルフBRAIN!PinkMoose
今回は歩くことの話である。
少々古い例で恐縮だが、08年の糖尿病受療率の全国データがある。ワースト3は次の県だった。1位香川県(うどん)2位徳島県(鳴門金時)、3位長崎県(ちゃんぽん)。血糖値を上昇させる要因は糖質(炭水化物)であり、これらの県で好んで食される( )内の食べ物の大半は糖質である。直接的原因は糖質を好む食生活にあると推察される。しかし、もうひとつ見過ごせない特長がある。それはいずれも地方都市であるということだ。地方都市では移動手段は圧倒的に車が多い。結果として、運動不足になっているのだ。
ここで考えをまとめておきたい。
現代人は、間違いなく歩かなくなっているということである。
私たちの生活は確実に歩かなくても良い方向に流れている。車だけでなく、エレベーター、エスカレーターなど歩くという点では魔の手は増え続けている。GM読者は、普段から歩くことに意識があると思われるが、それでもあえて、歩くことの重要性を読者に訴えるのは歩かなくなって起こる下半身の衰えはゴルフにとって致命的だからである。今月から連載を組む「下半身からスイングをつくる」も下半身が衰えては話にならない。下半身が不安定ならば確実に飛ばないし、スイングバランスの破綻を招く。
ゴルフが上手くなりたいという気持ちこそが、普段から歩くことを意識することを生むと思う。そうまでして注意喚起しなければ、知らず知らずのうちに私たちの生活は歩かない方向に傾いているのである。「歩く」という意識を持つこと。現代ゴルファーには上達の隠れた条件となっているのだ。
鍛えるゴルフBRAIN! 「想定練習のすすめ」
2012年04月11日 category:鍛えるゴルフBRAIN!
“Real” golfers / redjar
今月は、練習の考え方についての話をしよう。
1月7日、全国高校ラグビー選手権大会で史上5校目となる3連覇を達成した東福岡高校。大会前の練習で恒例となっているのが、あらゆる状況を設定して行われる「想定練習」である。「後半残り10分。5点リード」「後半残り15分。4点ビハインド」というように時間と点差を設定して、実践練習を行う。自主性を重んじる谷崎前監督が練習の狙いとしているのは適切な状況判断能力の鍛錬である。
ここで考えをまとめておこう。
人間は情報を受けとると、それが行動に反映する生き物であるのだということ。特に精神的なプレッシャーを受ける状況下では、判断力や行動に大きな影響を受ける。
適切な状況判断という点でいえば、ゴルフもまたその能力が問われる競技だ。1番ホールから18番ホールまで、精神状態は、刻々と変化する。であるならば、ゴルフにおいても想定練習の効果は大きいといえる。「前のホールで、+4を叩いた次のホールのドライバー」「フェアウエイセンターからの2打目のアイアン」というように+、-の両面での状況を設定して、メンタル面も組み込んでショットの練習をするのである。状況のイメージや心理状態をできるだけ再現して練習するのだ。そうすると「プレッシャーをうけるとアイアンはショートしやすい」などといった自分独自の課題が見えやすくなる。さらにプレッシャーとの距離感を掴み、一球一球をていねいに打つ、実践的なスキルを身につけることができるだろう。
ちなみに東福岡高校ラグビー部は、遠距離通学生が多い為、練習時間が短い学校としても有名だ。短時間に効果的に練習をするという意味でも想定練習は忙しい毎日を送るアマチュアゴルファーにも適した練習法でもあるのだ。