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プロのカタチ!~形態は機能に従う~

2013年09月25日 category:プロのカタチ!~形態は機能に従う~

~プロのカタチ!~形態は機能に従う~ 19世紀後半を代表するアメリカの建築家、ルイス・サリヴァンは言った。

 

「形態は機能に従う(form follows function. )」と。 新幹線の前部の形状が、ピノキオの鼻のように伸び続けるているのは、トンネル通過時にかかる空気抵抗を極限まで減らすためである。

 

無駄のない機能を追及する結果表れる形態。それは時に美しく、機能美として称えられる。しかしこれは、建築や工業デザインに限った話ではない。

 

当然のこととして、ゴルフのスイングにもあてはまるのである。プロゴルファーの形態に注目し、その機能を読み解く。プロゴルファーによって確立された共通のカタチ。その形態は、どのような機能が裏打ちされているのか。

 

プロの技術を味わっていただきたい。 アダム・スコットの「ヘッドを走らせる」技術(1)

 

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1回目は、今年(2013年)のマスターズの覇者、アダム・スコットである。オーストラリア出身選手として初めて、グリーンジャケットに袖を通した32歳。彼のスイングを通じて着目したいのは、「ヘッドが走るとはどういうことか」である。

 

★左手首の役割を意識せよ!

 

インパクト直前、ゴルフクラブは振り子のように動いている。アダム・スコットのスイングを見ればそれは明らかだ。インパクト前、ボールの前に左手首が到達してから、インパクトまでの間、左手首の位置(図の矢印)はあまり動いていない。

 

これは、左手首を振り子の支点として意識しているからだ。インパクト後、ゴルフクラブは、腕を追い越していく。 彼が意識しているのは、ヘッドを走らせることではなく、「ヘッドが走る工夫」であろうことはわかってもらえるだろうか。

 

 

★すべてはインパクトのために!

 

左手の位置を意識し、肩回転による腕の動きは、ヘッドの動きを意識してインパクトへむけて調整させている。インパクトの瞬間、左手(赤の線)とクラブ(黄色の線)が一直線になっている。これは、クラブ(クラブヘッド)の動きと腕の動きをインパクトで合わせるように同調させているのである。

 

 

★ヘッドを走らせるとはどういうことか。

 

(1)左手首を支点として使い、ゴルフクラブを振り子のように動かす。

(2)腕(右手と左手からできる三角形)の動きをインパクトに向けてゴルフクラブと同調させる。 ということである。 ヘッドを走らせる。これは誤解をまねく表現である。人間が能動的な動きによって、特に腕の動きによってヘッドを走らせることができるような印象を与える表現である。

しかし、アダム・スコットのスイングを見る限りそのような「機能」は皆無である。

 

 

★腕の動きではヘッドは走らない。

 

注目してほしいのが、右手と左手でできる三角形である。これがまったく崩れていない。つまり、腕には余分な力が全く働いていないのである。

 

このことがわかると、腕の動きによってヘッドを走らせることができるという幻想からは、少なくとも開放されるだろう。

 

次回は、このことを踏まえヘッドを走らせる「機能」をあなたに組み込むドリルを中心にお話したい。

 

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