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プロのカタチ!~形態は機能に従う~Ⅲ

2013年11月15日 category:プロのカタチ!~形態は機能に従う~

プロゴルファーの形態に注目し、その機能を読み解く新シリーズ、第1回目は、今年(2013年)のマスターズの覇者、アダム・スコットのスイングに注目し、「ヘッドを走らせる」技術を考える。

 

-アダム・スコットの「ヘッドを走らせる」技術(3)-

 

前回は、肩の回転について解説させていただいた。(前回の内容はこちら) 今回は、それを踏まえたスイング軌道についてお話しする。それを実感していただくドリルもご紹介しよう。

 

 

★右ひじを体につけておくメリット

 

インパクト時における、アダム・スコットの肩の動きは限りなく縦回転になる。前回の結論から、話をはじめたい。縦回転を確保するために欠かせない工夫が、「右ひじを体から離さない」ということである。感覚的に掴める理由は、そんなに難しいものではない。単純に、前傾姿勢を維持したまま、肩を縦回転させるためには、トップの後は右ひじはできる限り体についていた方が回転させやすいからだ。

 

 

★クラブを短く持ってスイング軌道を覚えよう

 

右ひじを体から離さないスイングの感覚を覚えるための、ドリルは簡単だ。短めのクラブ(シャフトのみでもよい)の真ん中付近を握りスイング軌道を体に覚えこませるように素振りをする。クラブの真ん中付近を握って練習するのは、右ひじを体から離すとグリップ部が左脇などに当たってしまうからだ。当たらない様にスイングするためには、右ひじは体から離せないのだ。

 

 

★右ひじを体から離さない本当のメリット

 

右ひじを体から離さない最大の目的は、肩の回転、腰の回転を一体化させることにある。アダム・スコットのスイングでその機能をみてみよう。インパクト時に右ひじを体から離さないことによって、肩の回転は、腰の回転に結び付けられていることを意味する。つまり、体から離さない右ひじは、二つの回転をつなぎとめる留め金のような役割を果たすのである。ゴルフのスイングは、肩と腰の回転から推進力を出す。それを一体化させるのが、右ひじを体から離さないことなのである。

 

プロのカタチ 11月

 

さらに、クラブの延長線(図の赤色の線)と肩回転(図の青色の線)の縦回転、腰の回転(図のオレンジ色の線)の接点が右ひじになっていることがわかってもらえるだろうか。右ひじを体から離さないことは、つなぎ止められた二つの回転力をクラブに伝える役割も果たすのである。

 

★最後はひとつにつながる

 

肩の縦回転を確実にし、腰の回転との一体化をもたらしてくれる右ひじの動き。これら、一連の動きは、結果としてヘッドを走らせる効果をもたらす。3回に分けて議論した内容のまとめとして、シリーズ最終回の次回にそのことをお話したい。

 

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