【お役立ちコラム】健康診断の季節「検査項目について」
2018年03月23日 category:弊社からのおしらせ
健康診断の季節「検査項目について」
新年度になり、会社や学校などで健康診断を受ける機会も多いかと思います。
今回は、大事なのに分かりにくい血液検査項目についてご紹介します。
どういう項目の数値なのか、結果と基準範囲とともに
確認してみてください。
■貧血
赤血球数(RBC)
赤血球の数の指標です。
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して
肺へ送る役目を担っています。少ない時は貧血、多い時は多血症が疑われます。
血色素量(Hb)(ヘモグロビン)
血色素とは赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。
減少している場合、鉄欠乏性貧血などが考えられます。
ヘマトクリット値(Ht)
血液中に含まれる赤血球の割合です。
数値が低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われ、高ければ多血症、脱水などが考えられます。
■尿酸
細胞中のプリン体の代謝産物で、腎臓から排泄されるものです。
この検査では尿酸の産生・排泄のバランスがとれているかどうかを調べます。
高い数値の場合は、高尿酸血症といい、高い状態が続くと結晶として関節に蓄積していき、
突然関節痛を起こします。これを痛風発作といいます。
また、尿路結石も作られやすくなります。
■白血球数
体内に侵入した細菌などから体を守る細胞です。
数値が高い場合は細菌感染症にかかっているか、炎症、腫瘍の存在が疑われますが、
どこの部位で発生しているかはわかりません。
たばこを吸っている人は高値となります。
少ない場合は、ウィルス感染症、薬物アレルギー、再生不良性貧血などが疑われます。
■脂質
LDLコレステロール(悪玉)
コレステロールは細胞膜等をつくる重要な成分です。
LDLコレステロールが多すぎると血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、
心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性を高めます。
HDLコレステロール(善玉)
末梢の血管に沈着したコレステロールを肝臓に持ちかえる働きをします。
数値が低いと、脂質代謝異常、動脈硬化が疑われます。
中性脂肪
体内の中でもっとも多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。
動脈硬化に関係があり、数値が高いと動脈硬化を進行させ、
低いと低βリポたんぱく血症、低栄養などが疑われます。
■肝機能
GOT(AST)・ GPT(ALT)
GOT(AST)は、心臓・肝臓・骨格筋・腎臓に多く含まれている酵素で、
GPT(ALT)は、特に肝臓障害に敏感に反応して増える酵素です。
数値が高い場合は急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などが疑われます。
γ―GTP
肝臓・胆道に障害があると増加します。
特にアルコールや薬の影響に関係が深いものです。
数値が高い場合は、アルコール性肝障害、慢性肝炎、
胆汁うっ滞、薬剤性肝障害が疑われます。
ZTT
肝臓障害、慢性感染症、膠質反応の場合に上昇します。
■糖代謝
グルコース
体のエネルギー源となっているもので、高値の場合は糖尿病を疑います。
ヘモグロビンA1c
2ヶ月ほど前からの平均的な血糖値を反映します。
高い時は糖尿病を疑います。(但し貧血の方は低くでる場合があります)
■腎機能
尿素窒素
腎臓から排泄される老廃物の一種です。腎障害や脱水などで上昇します。
■蛋白分析
総蛋白
血清中の蛋白質の分量で体の栄養状態の指標となります。