「テーラーメイド売却も検討」の衝撃。ゴルフ人口減少に打つ手はあるか。
2015年08月19日 category:ゴルファーニュース「テーラーメイド」「アダムスゴルフ」「アッシュワース」を傘下にもつ、アディダスゴルフが、事業の売却を検討しているという。
GOLF-MODEでも何度も採り上げてきた業界のビックグランド。ここ数年は、ライバルメーカーとのドライバー競争に後塵を拝した影響もあり、業績不振に陥っているという。
このニュースのポイントは、アディダス側がこの不振を一時的なものと見ずに、ゴルフ人口減少を事業を手放すメリットを感じるほどの構造的なものだと理解している点であろう。
ゴルフ人口の減少は、日本では『2015年問題』としてクローズアップされた。アメリカでもゴルフ離れは深刻になっているのだろう。 ロイター通信は、世界的なゴルフ人口は、2000年で3000万人いたが、現在は2700万人まで減少しているという。
一体何が、ゴルフ人口減少を加速させているのだろうか。
ゴルフ関連のコラムで盛んに力説されているのは、「ゴルフにはお金がかかるから」という説。しかし、筆者はその見方には同意できない。確かに、指摘はもっともであるが、ゴルフは昔に比べて間違いなくお金がかからなくなっているからだ。
ゴルフ場のネット予約が普及し、よほどの名門クラブではない限り安くゴルフをする環境は整い始めている。クラブも、中古市場も含めると質のいいクラブを適正な価格で手に入れられる環境は整っている。
筆者は、「時間がかかりすぎる」からだと思っている。ゴルフで説明するより、他のエンタメ分野での比較のほうがわかりやすいだろう。嗜好分野の傾向には一定の法則がある。
ゲーム・・・専門機で大作ゲームを楽しむ→スマホで単純ゲームを楽しむ
書籍・・・書店での購入→ネットでの購入
テレビ・・・連ドラの視聴率の不振→1話完結型ドラマの好調(『花咲舞が黙ってない』『ドクターX』など)
いずれも、時間の無駄を排している点が特長だ。カラオケ市場も堅調に推移しているが、カラオケは手軽な娯楽として受けている点も時間が余りかからない点も無視できないのではないか。
時間がかかるかどうかの点において、ゴルフは、逆風だらけだ。
(1)上達するのに時間がかかる。
(2)ラウンドに時間がかかる。
(3)ゴルフ場が市街地から遠いので移動に時間がかかる
時短視点で見ると、(2)をなんとかできないだろうか。日本ではハーフラウンドやスループレーを奨励する雰囲気がないが、ここはすぐにもで着手できる点ではないだろうか。
ハーフで回れば、午前はゴルフ、午後は家族でレジャーという選択もできる。「ゴルフはいろいろ時間がかかりそう」という心理的な障壁を取り除くことは、ゴルフ人口回復には重要な視点ではないだろうか。