海外アパレル系クラブメーカーの惹きつけ力
2012年04月11日 category:ゴルファーニュース企業は、自社の拡大を本業の周辺領域から始めるものである。ソフトバンクはIT関係から通信へ、楽天はネット決済に関する事業から拡大させた。職人の国である日本では企業の「周辺領域」は「技術」の周辺である。日本のゴルフクラブメーカーは、「技術の強み」を活かして参入。ダンロップはゴム、ブリヂストンはタイヤ、ダイワ精工(現グローブライド)は釣竿、というように既存の技術の転用である。
一方、海外のスポーツアパレルメーカーにとっては、周辺領域は「競技種目」である。サッカー、バスケットと展開したから次は「ゴルフ」・・・のように。ナイキはインパクト・ゴルフ・テクノロジーズ社(米)、アディダス(独)はテーラーメイド社(米)、プーマ(独)は「cobra」ブランドを買収しての参入である。
参入の背景の違いは「売り方」の違いに表れている。日本のメーカーは高い技術力を前面に出した売り方をしているのに対して、海外アパレル系クラブメーカーは、ゴルファーを「惹きつけること」を重視している。斬新なデザインや配色、画期的な機能で目を向かせているのだ。インパクトで負けたら終わりのアパレル業界を生き抜いてきた生命力がそうさせるのだろう。そのためか、ここ数年、ゴルファーをあっといわせる機能はこれらのメーカーから生まれている。2012年の新製品のラインナップでも、その傾向は変わっていない。日本メーカーに物足りないのは、このような「惹きつける力」なのではないか。やや地味な日本製のラインアップを見てそう感じてしまうのである。
華南から北進。光速で刻む、中国のゴルフ時計
2012年04月11日 category:ゴルファーニュースdrs2biz
外国人男女の背後のディスプレイ。そこに見える無数の緑の群れ。これは、ゴルフコースのレイアウトだ。日本では考えられない圧倒的な規模。全部で10ものコースを抱えるのだから当然の大きさであろう。ここは、中国の海南(ハイナン)島にある「海口ミッションヒルズゴルフクラブ」。香港の奥、広東省深セン市の「ミッションヒルズゴルフクラブ」(ギネスブック認定の世界最大のゴルフ場、216ホール、12コース)の姉妹コースである。中国の経済発展とともに中国のゴルフが今、動き始めている。
中国ゴルフの発展は、「華南地域」を抜きに語ることはできない。故鄧小平氏が進めた「改革・開放政策」。経済特区が深セン、珠海、海南島など華南地方に集中し、外国人の居留者が増えたことでゴルフ需要を生んだ。華南地方は、亜熱帯地方に属し、冬でも最高気温は20度前後を維持。酷暑の夏を除けば、年中プレーしやすい環境にある。そのため深セン市と海南島はゴルフリゾートの開発が顕著だ。とりわけ海南島は、冬場の気候のよさを活かして、外国人ゴルファーを取り込んでいる。現在、日本からのツアーは、3泊4日、2ラウンドのゴルフツアーで10万円程度が相場。たっぷりゴルフに浸れるリゾート地として定着しつつある。現在、着々と進むアジアでの格安航空会社(LCC)の設立は、東アジア圏内の移動コストと時間地図(ディスタンスカルトグラム)を大きく塗りかえることは必死で、これもまた、追い風となるだろう。
中国で最初のゴルフ場が誕生したのは1984年。それからわずか20年。中国ゴルフの進化の時計は、日本のゴルフ場の発展とは比較にならない。中国という、眠れぬ赤い龍が経済的に覚醒した以上、この流れはある意味、必然という事なのだろう。
中国資本で再出発。本間ゴルフ、ゴルファーの進化を信じるDNA
2012年04月11日 category:ゴルファーニュース
かつて日本のゴルフ市場の主だった「HONMA」。ウッド加工の高い技術力で築いた高いブランド力。だからこそ最後まで「パーシモン」にこだわり、それが新しい時代への適応への遅れを招くという皮肉。その後の迷走を経て、新しい体制で再出発した「HONMA」。しかし、混乱を経ても残った考え方がある。それは、「ゴルファーの進化を信じる」という思想だ。
HONMA Perfect Switch シリーズは、国内製品初のライ角、フェース角、ロフト角の調整機能を標準装備した、先進性の高いドライバーだ。角度を調整してもシャフトの向きが変わらないように工夫した技術力は、たしかに「HONMA」らしいのだが、それ以上に「HONMA」らしさを感じるのは、スペックの基準だ。同シリーズのローエンド向け「460」、アベレージ向け「440」、ハイエンド向け「390」のいずれもスペックが他社の基準より厳しい設定だ。なかでもハイエンド向け「390」の仕様は、「ハード」の一言に尽きる。ロフト角は9°に絞り込み、重量も329gもある。ボールを上げる技術力とパワー、高いヘッドスピードが求められる。オートマチック感は皆無。しかし、その一方で、短い重心距離と高い操作性はハイエンド層には得がたい魅力になっている。厳しいセッティングはゴルファーの進化を見越しての数字なのだ。
経営権が中国資本に移り、買収当初はネガティブな見方も一部ではされたが新たなスポンサーがついたことで「HONMA」の持つ「こだわりの技術力」を生かせる環境が整ったように思う。Perfect Switch シリーズは「HONMA」の反転攻勢のクラブとしての実力は十分である。